なぜ横浜DeNA“三浦番長”は投打コーチ4人を配置転換しオリックスとの交流戦初戦に快勝できたのか?
プロ野球のセ、パ交流戦が25日にスタート。横浜DeNAは本拠地でのオリックス戦にネフタリ・ソト(32)の2打席連続を含む5本塁打で10得点を奪い10-3で快勝した。三浦監督は、投打コーチ4人の配置転換を断行、元オリックスの捕手、伊藤光(32)を2番に起用するなどの大胆な打順変更を行い、最下位からの巻き返しをはかる交流戦初戦で結果につなげた。
派手な花火が、5度、ハマスタに打ちあがった。 まずは2回。無死一塁から5番に戻って2試合目の宮崎がオリックス山岡の“落ちないフォーク“を見逃さない。レフトへ先制の5号2ラン。 「風です。間違いない(笑)」 宮崎は、そう謙遜したが、「先制点をあげることで勢いになる」との狙い通り、打線に火をつけた。二死になって8番の大和が、今度は高めに浮いた見送ればボールのストレートを強引に引っ張ってレフト最前列に今季1号。この試合から三浦監督は、「(伊藤)光はバッティング状態もいい。細かいこともできる。交流戦を機に、こういうオーダーを組んだ」と、元オリックスで捕手の伊藤を2番に起用していた。本来なら大和の打順。小細工のいらない8番に下がったことで大和の思い切りの良さを引き出したのである。 季節外れの横浜DeNAの花火大会は、まだ序章。 4回にはソトが6号2ラン。この試合まで2勝3敗、防御率3.53だったオリックスの先発4本柱の一人、山岡をこの回で引きずり下ろした。セの投手にはない山岡のまるでチェンジアップのように抜けて縦に落ちるスライダーにタイミングが合わずにてこずったが、ストレートの制球難につけこんで攻略に成功した。 5回には2番手の金田から“秘密兵器”の2番・伊藤が死球で出塁、キャプテンの佐野が13試合ぶりとなる一発をバックスクリーンの左のスタンド中段にまで運んだ。 「感触はどうかな…でもしっかりといいスイングができた。開幕して、ここまで仕事ができていない。ここまでのぶんを取り返せるようにやっていきたい」 得点力不足に悩む三浦監督が「動かさない」と断言していた4番の佐野を「考えました」と熟考の末、3番に変え、4番にオースティンを据えたのが、18日の中日戦だった。 昨季、メジャー移籍した筒香の代役4番に指名された佐野は、スタメン出場した全試合で4番をまっとうし首位打者のタイトルまで獲得した。三浦監督は、そのプライドを尊重。直接、佐野に「今日から3番で行く」と話をし、その意図を伝えた。 「何番であろうと僕の感情は関係ない。与えられたポジション、打順でしっかりと結果を出さなければいけないと思った。何番に入っても試合に出るものとしてしっかりと活躍することが責任だと思う」 この日が3番に変わって5試合目だった。 「いいところで打てていない。まだ90試合以上ある。ここから先しっかりと活躍できるように(自分に)言い聞かせながらやっていきたい」 試合前練習で「インサイドアウトのバットの軌道を確認したかった」と異例のロングティー。努力を怠らず、もがき続けて結果を出した。