異例?!両チームが「勝ちに等しい引き分け」ってある?横浜DeNAとソフトバンクの“セパ格差対決”は1ー1のドロー
中川はフォーシームをまるでスプリットを投げるかのように人差し指と中指をくっつけずに離して握る。スピン量は減るが、その握りで、常時150キロを超えてくるので、鉄のボールのように重たくなる。つまりバッター側からすれば、コンタクトしてボールにスピンをかけることができないのだ。いわゆる球威のあるボールである。 「ボールは凄いものを持っていた。もともとコントロールで抑えるピッチャーではないが、それが試合になるとね…。今日はゾーンのなかで自分のボールを投げることができていた」 三浦監督は、ポテンシャルがやっと開花しかけている21歳右腕のローテー固定を約束した。 神がかった好守備に助けられたことも特記しておかねばならないだろう。5月26日のオリックス戦で痛恨の落球。懲罰交代を命じられ、以降、5試合中4試合スタメンから外れていた桑原は、神里が足首を痛め登録抹消されたこともありスタメンに復帰した。人が違ったかのような集中力を見せた。3回二死三塁から栗原の左中間の打球をダイビングキャッチ。5回にも甲斐のセンター前に落ちそうな難しい打球に、そのまま飛び込んでアウトにした。8回には、三塁の宮崎が観客席ギリギリのファウルフライを好捕するファインプレー。どちらかといえば攻撃型で雑なチームが「守り勝った」のである。 一方、池田氏はソフトバンクの東浜とリリーフ陣をこう分析した。 「最初の復帰登板(5月26日の中日戦)の東浜は、後半、球威が落ちていたが、この日はスタミナも戻っていたように感じた。インサイド、低めにボールを集め安定感があった。大きな収穫。そして前日に思い切ってセットアッパーで使った松本が結果を出せなかった8回の問題に関しては、嘉弥真、坂東の2人を使って切り抜けた。モイネロが帰ってくるまでは、泉も含めたメンバーでなんとか踏ん張るしかないが、ひとつ理想形は作ったと思う」 首位の中日も「コリジョンルール」に泣きロッテと痛み分け。交流戦成績で、横浜DeNAは中日に次ぎピタリと2位をキープしている。 池田氏は、「横浜DeNAがようやく平常運転になった。佐野、オースティン、宮崎、ソト、牧と並ぶ打線は、セの中でも破壊力はある。私は、横浜DeNAがここから先のペナントレースのダークホース的存在になると見ている」と予想する。 “セパ格差マッチ”の決着は、今日3日の第3戦に持ち越された。横浜DeNAは左腕の坂本、ソフトバンクはレイが先発予定。三浦監督は、「引き分けは引き分けですから。しっかりと受け止めて明日につなげていくだけと思う」と、いつものフレーズで、会見をまとめたが、日に日に、その言葉に真実味が増しているのである。