Go To トラベル一時停止も打撃 ホテルの現状は?
新型コロナウイルス第3波の勢いが止まらず、ついに「Go To トラベル」の全国一律停止が決まった。期間は今月28日から来年1月11日まで。まさに年末年始の書き入れ時だけに衝撃は大きく、ホテル業界からも悲鳴があがっている。大阪府内ではインバウンド需要が壊滅し、感染再拡大で事態は深刻だ。そんな中、コロナ禍の中今年オープンやリニューアルを行うなどしたホテル業界や、観光局関係者らに話を聞いてみた。 【拡大写真】会見でGo To 停止について「私自身、悩みに悩み抜いた」と話す菅義偉首相
「ホテル運営ではパンデミックが一番のリスク」
アパホテル(本社:東京都港区)は、大阪府下に22棟目となる『アパホテル新大阪 南方駅前』(大阪市淀川区)を今月の16日に開業した。全179室。今年は27棟を開業し、来年も21棟の開業を予定している。 アパグループ東京本社代表室はこう話す。「新型コロナウイルスの影響を受けて、宿泊業界は厳しい状況に置かれています。ホテル運営ではパンデミックが一番のリスクであり、その影響を受け訪日外国人数は激減しましたが、現在の状況は長くともあと1年で収束すると予測しています」 さらに「ホテル運営は20年から30年という長期的なスパンで考える必要があり、一過性のものに左右されず、今後も東京、大阪、福岡などを中心に拡大出店を計画通りに進めていきます」と続けた。 また、全室に空気中の花粉やカビ菌、ウイルスなどを無効化し脱臭効果のある「ナノイーX」を搭載するなど、独自の対策も講じている。
6月開業予定が8月に 稼働率伸びるもGo To 停止で落ち込む
『ホテルエルシエント大阪』(大阪市北区)は、曽根崎エリアに今夏グランドオープン。運営するのは関西電力グループの関電アメックス(本社:大阪市中央区)だ。 新築の大型ホテルで全253室。宿泊機能だけでなく、地域と連携・共生する〈withコロナ、afterコロナの時代に必要な地域共生型ホテル〉を目指す。 同ホテルは1階にゲストラウンジがあるのみで、レストランなどはない。周辺に3000店舗もの飲食店があるためホテル側が紹介してくれるシステムだ。サウナ付き大浴場やシャワーだけの部屋を設けるなど設備にも様々な工夫がみられ、朝食では、ご当地・大阪名物の「たこ焼き」も味わえる。 「6月に開業予定でしたが、コロナの影響で8月1日の開業となりました。開業以来、稼働率は充分に伸びていましたが、Go To の停止が決まってから落ち込んでいます」(広報) しかし「曽根崎はディープなエリアですし、この街をもっと知っていただきたいです。ご紹介する飲食の店舗様にはコロナ対策が万全かどうかを必ずお聞きしています」とし、宿泊を通じて食・文化・歴史を体験できる「街ライブラリーホテル」となっている。