成績優秀な「自慢の息子」のために尽くしてきたが…64歳・年金受給間近の会社員、想像もしなかった現実に思わずポツリ「あんなにお金をかけたのに」
大学に通い卒業すると「学士号」が、大学を卒業した後に大学院に進学し2年間の修士課程を終えると「修士号(マスター)」が、さらに3年間の博士課程を終えると「博士号(ドクター)」が授与されます。教育資金の準備といえば大学4年間の費用だと考えがちですが、いまは大学院に進む人も少なくありません。その分費用もかさみますが、お金をかけたからといって子どもの人生が明るいものになるとは限らないようで……。詳しく見ていきましょう。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
大学院に進学した人数が過去最多に
子どもを授かった瞬間から親が考えなければならないのが、子どもの教育資金のこと。高校までは公立であまりお金がかからなくても、大学では7割以上が私立に進学すると言われており、入学金や授業料を準備しておく必要があります。 さらに、大学を卒業した後に大学院に進学する可能性もあります。文部科学省「令和5年度学校基本調査」によれば、大学全体の在学者のうち学部生は約263万3,000人で過去最多。さらに、大学院生は約26万6,000人でこちらも過去最多となりました。大学院生の内訳は修士課程約16万8,000人、博士課程約7万5,000人、専門職学位課程が約2万1,000人です。 また、大学(学部)卒業者に占める就職者の割合は75.9%で、進学率は12.52%、さらに修士課程を終えた人の就職者の割合は77.4%、進学率は10.1%となっています。 大学を卒業した人のうち7割強は就職し、1割強がさらに勉強や研究をするために修士課程へ(残りの人たちは就職でも進学でもない道を歩んでいるようです)。そして2年の修士課程を終えた人のうち1割程度の人は博士課程にも進むといったことがデータからわかります。 つまり、大学院に進むことはめずらしいこととはいえません。すでに知られているとおり、特に理系においては学部によっても違いはあるものの、文系よりも進学率はかなり高くなっています。
大学院にかかる費用の実態…親の負担は大きい
では、大学院に行くとどれぐらいの費用がかかるのでしょうか。文部科学省の令和5年度「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果」によれば、修士課程において初年度にかかる費用は以下の通りです。 【私立大学大学院 修士課程 初年度費用】 ・授業料:79万8,465円 ・入学料:20万1,752円 ・施設設備費:7万5,589円 ・実験実習料・その他:5万8,784円 合計:113万4,590円 修士課程では、初年度に113万円ほどの費用がかかります。2年目は入学金がかからないと考えて単純計算すれば、2年間のトータルで206万7,430円かかることになります。 次に博士課程を見てみましょう。 【私立大学大学院 博士課程 初年度費用】 ・授業料:60万4,592円 ・入学料:19万2,686円 ・施設設備費:4万9,733円 ・実験実習料・その他:4万6,583円 合計:89万3,594円 こちらも同様に2年目、3年目は入学金がかからないとして単純計算すると、3年間で229万5,410円かかることになります。 あくまで目安であり実際には進学する大学院・学部によって変わりますが、私立の場合はそれなりに費用がかかることがわかります。 私立大学4年間だけでも、文系なら400万円程度、理系なら550万円程度かかるともいわれています。大学院に進むとなれば、上記のようにさらに費用がかかるうえ、もし実家から学校が遠ければ、一人暮らしが必要になり親から子への仕送りをするケースもあります。 手元資金が豊富ならば別ですが、やっとの思いで家計をやりくりしているという親もいるでしょう。 「それでも、この子の将来のために頑張ってお金を出してあげよう」 しかし、だからといってそれが報われるとも限らないようで……。例えばこんなケースです。
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