日本株、「来期も増益」が期待できる「配当り利回り3%以上」の「プロ厳選・高配当銘柄5選」を実名紹介
2024年に大幅拡充された「NISA(少額投資非課税制度)」は、若年層を中心に新たな投資ブームを巻き起こした。いまや資産形成は、物価上昇に対抗できる生活防衛スキルとして注目されている。NISA口座(成長投資枠)の買付上位にランクインする個別株式では、高配当利回り銘柄が存在感を発揮している。定期的な配当収益に対する投資家層の関心は高いようだ。 【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ” 一方、3月期決算企業を含むTOPIX採用銘柄の業績動向を見ると、少々気がかりな点もある。直近の25年3月期第2四半期(7-9月)のEPS(1株当たり利益)に限れば、市場予想を上回る「ポジティブサプライズ」の割合は45%程度と、過去と比較して低水準にとどまっている。株式市場にとって楽観視できる状況ではないだろう。 もっとも、企業の株主還元姿勢は引き続き積極的だ。企業ガバナンス(経営管理体制)の改善が進むなか、配当の増額や自社株買いなどを通じた還元強化のトレンドは続いてゆくだろう。配当利回り3%以上の高配当利回り銘柄の中でも、今期から来期にかけて増益を維持できそうな銘柄は、引き続き投資家にとって魅力的な物色対象となりそうだ。
日本郵船(9101)
■株価(11月29日時点終値)4796円 配当利回り(予)5.42% 鉄鉱石や石炭を運ぶドライバルク船や原油を運ぶタンカーに加え、コンテナ船事業も展開する国内最大手の海運企業。会社側による下期(24年10~25年3月)想定よりも円安水準で推移する為替(10円の円安で10億円増益)や燃料油価格の下振れ(トン当たり10ドル下落で2億円増益)が、25年3月期の経常利益を押し上げる要因となりそうだ。 配当利回りは5%超と市場平均を上回り、長期投資家にとっては魅力的な水準にある。株主還元の原資となる単体利益剰余金は8,606億円(24年3月期末時点)と豊富で、来26年3月期も配当の維持や自社株買いが可能な状況にあることは心強い。 短期的な市況変動が株価変動に直結する場面は今後も続くとみられるが、長期的には投資の好機と捉えられる展開も続きそうだ。株価はPBR0.6~0.9倍の範囲内で推移する傾向があることから、株価の調整局面では投資妙味がさらに高まろう。