日本株、「来期も増益」が期待できる「配当り利回り3%以上」の「プロ厳選・高配当銘柄5選」を実名紹介
日本M&Aセンターホールディングス(2127)
■株価(11月29日時点終値)625.6円 配当利回り(予)4.64% 中堅・中小企業を対象としたM&A仲介の国内最大手。財務健全性の高い成長企業でありながら、高配当利回りでもある現在の株価水準には、不正会計問題のマイナスイメージ、規制強化による収益悪化への懸念などがディスカウント要因として残っているようだ。 一方、投資家目線では悪材料の出尽くしや割安感の高まるタイミングなどは冷静に見極めたいところだ。独自のネットワークにより譲渡企業や買収企業を効率的に紹介できる情報開発力やマッチング力は、他社がマネすることのできない差別化ポイントだ。足元の新規受託件数や成約見込みの案件数は過去最高水準に達している。 DX化(デジタルトランスフォーメーション)によるM&Aプロセス効率化や大型案件への注力、地域密着型の「地方創生プロジェクト」による企業支援などは、今後の事業基盤をさらに拡げる可能性がある。中期経営計画では、2028年度までに配当性向60%を維持する方針を掲げており、株主還元にも積極的だ。
三菱ケミカルグループ(4188)
■株価(11月29日時点終値)784.9円 配当利回り(予)4.08% 国内最大級の売上規模を誇る総合化学メーカーである同社は、化学分野全般における技術力と製品多様性を強みとしている。アクリル樹脂や塗料の原料となるMMA(メタクリル酸メチル)は、世界トップシェアを持つコア事業だ。 一方、医薬品や産業ガスの子会社なども傘下に抱え、多角的な事業展開をしている。新たな中期経営計画では、2029年度までにROIC(投下資本利益率)8%の達成を目指しており、年間約4000億円規模の売上を占めるノンコア事業の整理や売却も大胆に進めていく方針だ。競争力の高いMMAや特殊材料事業への選択と集中が進むほか、医薬品事業の効率化や産業ガス分野とのシナジー(相乗効果)創出など、収益性向上と差別化を図る期待がある。 現在の株価指標は歴史的な割安水準に位置しており、事業改革による収益改善が再評価される余地は大きいだろう。配当性向35%を基準とする安定的な配当方針を掲げるなか、業績改善と成長軌道の回帰へ本腰を入れたことは注目に値しよう。 年末に向けては、NISA口座の未使用非課税枠を活用した資金流入が活発化するだろう。さらに、2025年の年明けとともに新たなNISA枠の流入も始まる。年末年始をはさんで好業績見込みの高配当利回り銘柄の注目度は、さらに高まることとなりそうだ。
宇野沢 茂樹(証券アナリスト)