日銀・黒田総裁会見3月18日(全文3完)円安が全て経済にマイナスになるというのは間違い
コストプッシュ型インフレは持続しない根拠は
東京新聞:東京新聞の皆川と申します。先ほどのコストプッシュ型インフレは持続しないという総裁のご説明ですけれども、確かに日本ではインフレ期待とか賃金がつられて上がるっていうセカンド・ラウンド・エフェクトは直ちに起きないと想定される一方で、商品市況の高騰っていう、もっぱら外的な要因が持続することでコストプッシュ型のインフレが想定以上に続くっていうことも可能性として排除できないと思うんですけれども、その点を踏まえた上で、コストプッシュ型インフレは持続しないとおっしゃる根拠をもう少しお伺いできますでしょうか。 黒田:コストプッシュ型インフレは持続しないっていうのは、国際商品市況が急激に上昇して、その結果、輸入物価が上がり、消費者物価にも転嫁されて上がると。しかしそれは基本的に持続しませんということを申し上げているんで、国際商品市況とエネルギー価格とか食料品がずっと上がり続けていけば、それは消費者物価も上がり続けるんではないかっていうのは、それはそのとおりですけれども、今、国際商品市況について、そういうふうに考える人はまずほとんどおられないと思います。 ご承知のように石油価格のなどについても、みんな、石油の価格の先物カーブを見て、経済予測などをされているようですけども、石油価格のカーブもなだらかに下がっていくというふうにみていますし、さまざまな商品市況についても、この勢いで上がってきたのがどんどん続くというふうにはみていないと思います。もちろんそういうことがあれば、それが続く限り、インフレも続くでしょうということはいえますけども、そういうことはまずは想定されないし、過去においてもそういうことはなかったわけでして。原油価格なんかも急騰したあと、急激に下がるっていうことのほうがむしろ多かったわけですね。 ですから、純粋な思考実験として、そういうふうにどんどん上がっていったらどうなるかっていうのは、そりゃどんどん上がっていったら、消費者物価も上がっていくっていうことになると思いますけども、そういうことは普通、想定されないし、想定する必要も特に今あるとは思えないですね。あと1人だけ、どなたか。