「母親になったことを後悔する」。ある女性が告白した、墓場まで持っていきたい秘密とは
※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 【写真】「母親になったことを後悔」する女性たちの告白。 イスラエルの社会学者オルナ・ドナートは著書『母親になった後悔』の中で、母親になることが自己実現の足かせだと考える女性たちの声を集めている。まだまだタブーとされている証言であり、女性が母親になるという役割分担を改めて考え直す必要がある。 子どものことは愛しているけれど、産まなければよかった----以前、SNS上で一部の女性たちが打ち明けた、言葉にし難い告白だ。 社会が女性に「母親になる幸せ」を求める状況では、この気持ちはなかなか受け入れられにくい。イスラエルのネゲヴ・ベン=グリオン大学で教鞭をとる社会学博士オルナ・ドナートは、自分の日常生活を「魅惑的に」するために子どもを産む、という社会的な圧力を拒み続けている。2015年に出版された研究書『母親になった後悔:社会政治的分析』は、母になったことを後悔しているというイスラエル女性23人にインタビューを行ったもので、大きな議論を巻き起こした。 一般論とは程遠く、ドナートは次のように語っている。「母親であることに苦しんで、リセットボタンを押したいと夢みることもある」。研究の成果はSNSで広く拡散され、2年後には『#Regretting Motherhood』という本が生まれた。世界的に成功を収めたこの本は、2019年11月末にフランスでも翻訳、出版された。 これまではカウンセリングのソファでだけ語られていた告白が明るみに出され、究極のタブーのベールが剥がされた。本の著者、オルナ・ドナートへのインタビュー。
----なぜ女性たちは子どもを持ったことを後悔しているのでしょうか。
自分は母親に向いていなかったということが、母親になってみて初めてわかったのです。なんとか乗り越えようといろいろやってはみたものの、母親としての責任が重すぎると感じている、と打ち明けてくれた人達もいます。こういう気持ちは、妊娠中、第1子出産後、あるいは第2子出産後、いつでも不意に生まれるものです。