「母の呪い」で30歳まで”経験なし”。団塊世代ジュニアの「高齢処女」にも届けたい、50歳婚のすすめ。漫画家・影木栄貴【インタビュー】
久しぶりのセックスを前に、婦人科に相談に行ったことも
――30歳で初体験をしたわけですが、それ以降も交際相手がいない期間が長く、久しぶりの彼氏ができた時は、婦人科に相談に行かれたそうですね。 はい。婦人科に行って医者に「久しぶりに男性と経験をすることになりそうですが、身体的に問題はありませんか?」と聞いたんです。その時聞いたドクターが男性だったのですが、まともに取り合ってもらえず、すごくがっかりしました。マンガ『逃げるは恥だが役に立つ』では、アラフィフ処女・百合ちゃんが「50代で初めての性行為をする場合、問題点というのはあるのでしょうか?」ってドクターに相談していたのに。 私は真剣に悩んで言っているのに、ふざけて言っていると思われたみたいで。やっぱり男性にはわかってもらえない部分はあるのかなと思って、それ以来、婦人科は女性医師を選ぶようになりました。 ――男性不信に関して、旦那さまに対してはどのような気持ちですか? 相手が夫であっても男性が苦手という根本的な部分は変わっていないし、結婚したからといってすぐに治るものではありません。 ここからは著書にも書いていないのですが、私が結婚後ずっと別居婚を続けている理由は、それもあるんです。男性が苦手な私が結婚生活を長く続けるためにとった方法が別居婚。まずは物理的に距離をとって、そこから徐々に距離を詰めていって、私も男性に慣れていって、最終的に家族になれたらいいなと思っています。
40代・50代女性は結婚よりキャリアをとった人が多い
――2020年の「50歳時の未婚率」は女性が約18%※。この先この割合はどんどん高くなっていくと予想されています。 私の周りでも40代・50代の独身女性はたくさんいます。その大きな原因として、時代が大きく関係していると思っていて。私達の世代って本当に社会からサポートを受けられていません。 まず育児をしながら働くということ自体が難しかった。産休や育休の制度も整っていない会社が多かったし、保育園も全然足りていませんでした。世間の空気としても、出産したら仕事を辞めなくてはいけない、という風潮もまだまだ残っていましたよね。 なので、私の周りにいる優秀なキャリアウーマンの友人たちも、未婚で子どももいない人が多い。女性にとってとても大変な時代だったと思うんです。 ※国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」より