J1移籍マーケットの勝者はどこ?
ここにきて韓国Kリーグの蔚山現代に所属する、196cmの長身を誇るノルウェー代表FWビヨルン・ヨハンセンと、クロアチアのシベニクでプレーするコロンビア出身のボランチ、ファン・ディエゴ・ニエヴァ・グズマンの名古屋加入が報じられている。外国籍選手は現状で3人なので、このオフの名古屋の積極的な動きを踏まえれば、完璧な陣容を期すための緊急補強が十分に考えられる。 堅守をベースにしたチーム作りで東京ヴェルディとセレッソを躍進させた、スペイン出身のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督を招へいした清水エスパルスも、例年にない積極的な補強を成功させた。 昨シーズンの清水はリーグワーストの総失点「70」と守備網が崩壊し、本来ならばJ1参入プレーオフ決定戦へ回る16位に終わった。新型コロナウイルス禍で設けられた降格なしの特例に救われた状況を顧みれば、通常よりも2増の20チームで争われ、17位以下の4チームが自動的にJ2へ降格する今シーズンを勝ち抜いていくためにも、必然的に補強の中心は守備陣に集約される。 新たな守護神として日本代表の権田修一を、ポルティモネンセ(ポルトガル)から期限付き移籍で獲得。さらにセンターバック、サイドバック、ボランチでプレーできる東京五輪世代の原輝綺(鳥栖)、J3時代から大分トリニータの最終ラインを支えてきた鈴木義宜、セレッソ時代にロティーナ監督の薫陶を受けて成長したロングスロワーの片山瑛一と多彩な新戦力が加わった。 チーム改革のメスはリーグ6位の総得点「48」をあげた攻撃陣にも入れられている。前線には195cmの長身を誇る指宿洋史(湘南ベルマーレ)、昨シーズンのJ2で日本人最多の18ゴールをあげたディサロ燦シルヴァーノ(ギラヴァンツ北九州)が、中盤のサイドアタッカーには縦へのスピード突破を武器とする中山克広(横浜FC)が攻撃にさらなる厚みをもたせようとしている。 サンタ・クララ(ポルトガル)でプレーした昨年末までの3年半で、35ゴールをあげた期待のブラジル人ストライカー、チアゴ・サンタナが日本政府による新規入国制限が課される前に来日。すでに清水へ合流し、実戦形式の練習でもプレーしている状況も新体制への追い風となるはずだ。