海外メディアも大坂なおみの全米OP優勝を絶賛「歴史的逆転劇」「コート内外で自己主張」「我慢強いテニス」
テニスの全米オープン、女子シングルス決勝が12日(日本時間13日)にニューヨークで行われ、世界ランキング9位の大坂なおみ(22、日清食品)は同27位のビクトリア・アザレンカ(31、ベラルーシ)を1-6、6-3、6-3で破り2年ぶり2度目の優勝を飾った。人種差別被害者の名前が入った黒いマスクを決勝までに7枚着用。社会的メッセージを発信しながら逆転勝利を遂げた大坂の快挙を海外メディアも次々と速報で報じた。 地元のニューヨークタイムズ紙は「大坂が社会正義を呼びかける一方で全米オープンのタイトルを勝ち取る」との見出しを取り「大坂はアザレンカとラケットを合わせ、主審に感謝し、WTAツアーのメディア担当者と試合後の対応について話し合った。それから彼女は勝利をじっくりと考える瞬間を得て2018年にスターとなったこの青いテニスコートに戻り、ゆっくりとコートに腰を落とし、背中をつけて横たわり、手を合わせ、空を見つめながら目を大きく開いた。たった一人の世界は、約20秒間続いた」と優勝の瞬間を描写した。 そして「大坂は制限がある大会で3週間以上にわたって多くを経験し、世界で最も厳しいテニス選手たちと戦うことのみならず、最も苦しい社会問題に対しても同様に思いを巡らせた」と戦いを振り返り「彼女は立ちはだかる、この2つのプレッシャーに対処し、我慢強い勝利で女子テニスのトップ舞台に帰ってきた」と伝えた。 さらに試合について、「彼女の両親はウィリアムズ一家にならい、彼女のパワーベースラインのプレーを育てた。ロールモデル(のセリーナ・ウィリアムズ)と同じく、それがはまれば彼女に抵抗するのはとても厳しい」とし、「成長株の米国選手ジェニファー・ブレイディ―を破ったレベルの高い準決勝を含め、7試合で4度の3セットマッチを戦い、危ない試合もあった。だが、大坂は新コーチのウィム・フィセッテ氏の助けもあり、重要な場面で、サーブや走りながらのストロークで果敢にライン際を攻めて、最も必要なときに最も説得力のあるテニスを披露した」と称賛した。 そして「大坂は、また一度チャンピオンとなり、コート上とコート外で自らを主張して見せた」と7つの黒いマスクをつけることで続けた人種差別に対する社会メッセージも含めて、大坂が今大会を制した意義を称えた。 また同記事によると大坂は14日に発表される最新の世界ランキングで3位となり、フォーブス誌のリストの推定年収は3740万ドル(約40億円)でセリーナ・ウィリアムズ(米国)を上回り、世界最高給の女性アスリートになったという。