海外メディアは全米OP初戦突破の大坂なおみの黒マスクに注目「彼女は6つの異なる名前が入ったマスクを用意している」
テニスの世界ランキング9位の大坂なおみ(22、日清食品)が8月31日(日本時間9月1日)、ニューヨークで開幕した全米オープンテニスの女子シングルス1回戦で、同81位の土居美咲(29、ミキハウス)と対戦、6-2、5-7、6-2で勝利して2回戦に進出した。大坂は、ストローク戦でのミスが目立ち第2セットを落としたが、第3セットではペースを奪い返して力の差を見せつけた。前週のウエスタン&サザンオープンの決勝戦を左太ももの負傷で棄権しており、コンディションが心配されていたが、26年ぶりの全米での日本人対決を制して5年連続の1回戦突破を果たした。 大坂はウィスコンシン州で起きた警察官による黒人男性銃撃事件に抗議するためウエスタン&サザンオープンの準決勝棄権を申し出て、その行動に賛同した主催者が大会を1日中断するなど、その社会的メッセージが波紋を広げていた。それだけに2年ぶりのV奪回を狙う大坂の1回戦には海外メディアも注目、その試合を報道した。 米ヤフースポーツは、大坂が入場した際、黒いマスクに3月に警官に射殺された黒人女性、ブレオナ・テイラーさんの名前を入れていたことをクローズアップした。 「大坂なおみが日本の土居美咲との初戦をアーサーアッシュスタジアムで迎えるときに素晴らしい声明を発した」と紹介。「大坂は、ブレオナ・テイラーの名前が書かれた黒いマスクをつけ、今年はじめ(3月)に(自宅の)ベッドで警官に銃撃され殺されたルイビルの救急救命士(だった故テイラー氏)を称えた」と続け、人種不正義に対して抗議を行ったウエスタン&サザンオープンでのいきさつなどについても触れた。 ニューヨークポスト紙は「大坂がマスクでブレオナ・テイラーを称え、全米オープンの初戦に勝利」との見出しを取り、「大坂が月曜夜にアーサーアッシュスタジアムのコートに入る際にステートメントを発した。彼女はあと6回、発信するのに十分なだけこの大会に残れるよう望んでいる。2018年の全米オープンチャンピオン(の大坂)は試合後に、別に6つの異なる名前が書かれたマスクを6種類持っていると語った」と伝えた。 平等と社会正義に向けて立ち上がる大坂の行動について触れ、「彼女は決勝にたどり着けば6つすべてのマスクを付けることになり月曜夜はその第一歩となった」と伝えた。 また「(大坂の)故障は月曜夜に痛みがあったようには見られなかったが、シードなしの土居に番狂わせを許すのを避けるために3セットを必要とした」と大坂と土居の戦いについても記した。 CNNも、「大坂は全米オープンの初戦を勝ったのかもしれないが、ブレオナ・テイラーさんについて人々に忘れないようにして欲しかったのかもしれない」と伝えた。 記事は、「米国が、人種差別や警官の銃撃について考え続けるなかで、女子アスリートで最も報酬の高い選手(の大坂)は社会正義についての喚起を広げるために自分が持つ機会を利用していくと明かした」と続けた。