SUPER GT第5戦(最終戦)プレビュー 真冬のシーズンラストレース タイトルはどのチームに!?
そのなかで予選の見どころを挙げるとすれば、コースレコード更新の可能性になるだろうか。気温が下がる冬場はたくさんの空気を吸い込んで、エンジンパワーが出やすくなる。結果、ラップタイムが上がるのではないかと言われている。最終戦につき、原則、レース結果によって搭載されてきたサクセスウェイトも撤廃され、開幕戦同様のノーウェイトでのアタックとなる。さらに、今シーズン後半戦からはニュータイヤの使用ルールが見直されたため、Q2でもニュータイヤの装着が可能になった。Q1、Q2ともにノーウェイトの状態でアタックができるドライバーにとっては、”未知の領域”へと挑むチャンスが到来したことになる。まずは、公式練習でのラップタイムの推移をチェックし、予選の”アタック合戦”に期待したい。
・気になるタイトルの行方は
前例のない12月開催の鈴鹿は、当然のことながらシリーズチャンピオンが確定する一戦でもある。GT500クラスでは、前回の第7戦もてぎでシーズン2勝目を挙げたNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)のタイトル獲得が色濃くなった。とはいえ、レースは”水もの”。チェッカーを受けるまで何が起こっても不思議ではなく、予測不可能だ。2020年シーズンには、最終戦を勝利すればタイトル獲得という流れのなか、ゴール直前でトップを快走するクルマにまさかのトラブルが発生、大逆転劇が起こった事例もある。今年は、36号車がランキング2位のNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)に対して18点の差をつけているとはいえ、万全を期して鈴鹿に臨むことに違いはない。もちろん、100号車やランキング3位のNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)もシーズン初優勝の達成を兼ねて、そして同4位のNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)も僅かながら勝負権があるため、最終決戦で起死回生を狙って奮励努力することだろう。