なぜ西武対ロッテ戦で1イニング2併殺の超珍記録が飛び出したのか…原因は西武・今井達也の”ふかふかした髪型”?
2回以降は5回まで一本のヒットも許さず、3回の4番・中村剛也の同点タイムリーを呼び込んだ。6回の先頭・マーティンにホームランダービーのトップを独走する9号ソロをライトスタンドへ運ばれ、勝ち越しを許した直後には中村と安田を見逃しの、角中を空振りの三振に斬った。 「打たれた後を逆にしっかり抑えてくれたピッチングが、この試合を変えたと思う」 辻監督の言葉通りに、6回一死から6番・愛斗が同点弾を左中間スタンドへ突き刺す。主力にけが人が続出した緊急事態のなかで今月8日に一軍へ昇格した6年目の24歳は、くしくもすべてロッテ戦で放った、14試合ぶりとなるチームトップの第4号アーチに「打ったのはチェンジアップです」と声を弾ませた。 「このところチームのためのバッティングができていなかったので、何とかして塁に出ようという気持ちで打席に入りました。打った瞬間、ホームランになると思いました」 続く7回のマウンドにも、すでに107球を投げていた今井が立った。一死後に7番・高部瑛斗を歩かせ、バントで送られたピンチで再び西口コーチがマウンドへ向かった。送球を食らったあごの状態を確認した初回とは異なり、代打で送られた井上晴哉を必ず仕留めろと檄を飛ばすためだった。 「西口さんに『お前に任せた』と言われて、抑えることができたのはよかったと思っています。今日は試合前からカットボールの感覚がよく、森(友哉)さんにそこを上手く引き出してもらいました。結果として内野ゴロで打ち取れる場面が多かったので、この投球は次回以降でも有効に使っていければと思います」 151キロのストレートで井上をショートゴロに打ち取った時点で、今井の投数は今シーズン最多の「122」に達していた。勝利投手にはならなかったが、6つの四球を与えながらも許した安打は先制タイムリーと勝ち越し被弾の「2」と踏ん張り、6三振を奪って懸命に試合を作った粘投が打線へ最後のパワーを与えた。 迎えた8回。先頭の5番・栗山巧が、代わったばかりのロッテの3番手・唐川侑己が投じた初球、やや高目に浮いた143キロのカットボールを完璧にとらえた。これまで13試合に登板し、失点ゼロを続けてきた右腕の失投を見逃さなかった一撃を、プロ20年目を迎えている37歳も興奮気味に振り返った。 「何とか塁に出ようと、そして積極さを失わないように打席に入りました。最高の結果になってよかったです」