うそをつくと選手には分かっちゃう。「優勝請負人」工藤公康さん プロ野球のレジェンド「名球会」連続インタビュー(33)
プロ野球のレジェンドに現役時代や、その後の活動を語ってもらう連続インタビュー「名球会よもやま話」。第33回は工藤公康さん。リーグ優勝14度、日本一は11度を数えた左腕で、ソフトバンク監督としては日本シリーズを5度制した「優勝請負人」です。知的探究心の旺盛さは少年時代の経験に基づくと明かしました。(共同通信=栗林英一郎) 「突き指するからノックはやめておけ」とはならない・金本知憲さん プロ野球のレジェンド「名球会」連続インタビュー(31)
▽子どもたちを肩、肘の障害から守るために 2022年4月に筑波大大学院の博士課程に進みました。今後の研究を子どもたちの障害予防につなげていければいいなと思っています。(11年の現役引退から15年のソフトバンク監督就任までの)3年間に、肩や肘の検診を30年以上されている方や、全国で頑張るお医者さんたちとお話をさせていただきました。なかなか障害が減らない、野球離れというところで、野球界の未来を守ることを考えれば、子どもたちを障害から守り、野球をやってもらうのが、とても大事。半年や1年も好きなことができないとか、痛みを抱えてスポーツをやるのは良くない。障害予防につながる研究をして、何か子どもたちや指導者へのアドバイスができないかという思いがありました。 難しいですよね。どのぐらい投げたら痛めて、どのぐらい投げている時は大丈夫という境界線って。スポーツは確かに勝負事って付いてくるんですけど、やっぱりチームとして勝ちたいという思いが強すぎると、どうしても無理をしてしまう。無理しすぎて障害に至らないために検診をちゃんと受け、少し休養の時期をつくってあげることで、また復帰はできます。野球って、どのポジションでも必ず投げる。投げないのは指名打者ぐらいしかない。守っている限りはボールを投げるんでね。何か自分が介入して、少しでも子どもたちの助けになればと思っています。大学に所属していないと、そういう研究もなかなか難しいところがあります。肩、肘のことを勉強し、論文や参考文献、先生たちの活動とかを通して学んでいきながら、その中でやりたいことをしっかり把握していきたいです。