うそをつくと選手には分かっちゃう。「優勝請負人」工藤公康さん プロ野球のレジェンド「名球会」連続インタビュー(33)
僕ね、監督として選手たちに隠してることが、そんなになかったんですよ。何でかって言うと、選手たちに何か聞かれた時に、うそをついてると分かっちゃうんですよね。「ああ、監督やコーチが何か隠してるな」って。だから、なるべく僕は本音を言いました。もうちょっとこうした方がいいとか、脚が悪ければ今日はやめた方がいいと。この状態で試合に出て、また大きなけがをしましたとなると、しょうがないでは終わらない。「君がいなくなることがチームにとってどれだけの戦力ダウンになるのか考えてほしい」と正直に言います。トレーナーが一緒にいたとしても、担当のコーチがいても同じことを言います。だから選手に僕の思いは伝わるんです。絶対に何かね。 × × × 工藤 公康氏(くどう・きみやす)愛知・名古屋電気高(現愛工大名電高)からドラフト6位で1982年に西武入り。ダイエー(現ソフトバンク)巨人、横浜(現DeNA)再び西武と移籍を続け、2011年の引退までに計11度の日本一を経験した。名球会入り条件の200勝は04年8月に到達。通算224勝で、実働29年は歴代1位タイ。15年からソフトバンク監督を7シーズン務め、5度の日本一に導いた。63年5月5日生まれの60歳。愛知県出身。