どうなる?混沌Jリーグ残留争い…残り6試合で4チーム降格…ガンバ、清水、徳島、湘南、大分、横浜FC、仙台らがサバイバル
川崎との第30節、鳥栖との前節でともに先制点を奪いながら前者は逆転負けを喫し、後者では追いつかれてドローに終わった。残留争いから抜け出すためのポイントを、鳥栖戦で今シーズン4得点目を決めたFW町野修斗は自戒の念を込めてこう語る。 「2点、3点と取らないといけない。鳥栖戦はともかく、その前の試合ではチャンスもけっこう増えてきていたので、最後はフォワード陣のシュートだけだと思っている」 22日に“金J”が組まれている今節は、清水との「シックス・ポインター」を制した前節で勝ち点を「37」に伸ばし、やや抜け出した感のある13位・柏が敵地で、来シーズンのACL出場権を獲得できる3位を目指す5位・浦和と対峙する。 17位・湘南との勝ち点差は、残り6試合で9ポイントに開いた。しかし、浦和に加えて4位・名古屋グランパスや、残留を決めて意気揚がる8位・アビスパ福岡を今後の対戦カードに残す日程を見れば、柏もまだまだ安堵できる状況にはない。 一夜明けた23日には前述した徳島対大分、湘南対横浜FCに加えて、勝ち点「34」で14位に低迷するガンバがホームで鳥栖と対戦する。直近の8試合で失点が「17」を数え、1勝2分け5敗と一気に黒星がかさんだ泥沼から抜け出せなければ、12月4日の最終節まで続く今後の戦いで、かなりの高確率で残留争いに巻き込まれていく。 さらに24日には開幕から一度も連勝をマークできず、不安定な戦いを続ける15位・清水が、首位を独走する川崎と敵地で対戦する。現在の勝ち点は「32」で、16位・徳島とはわずか3ポイント差。6連勝を継続中で、連覇へ向けて加速する王者の軍門に降るようならば、下位集団から受けるプレッシャーが一気に増してくる。 新型コロナウイルス禍における特例として、昨シーズンはカテゴリー間の降格が撤廃された。今シーズンのJ1は従来の18チームに、昇格組の徳島と福岡を加えた20チームで争われ、17位以下の4チームが問答無用でJ2へ降格する。 直近の16試合でわずか1勝にあえぎ、大分との大一番でもシュート数わずか1本で零敗し、勝ち点「23」の最下位に転落した仙台がやや取り残された感がある。対照的に16位までの残留圏でフィニッシュするための戦いはまだまだ予断を許さない。 結果次第で勝ち点「34」から「28」までの6ポイント以内にガンバ、清水、大分、徳島、湘南、横浜FCの6チームがひしめき合い、柏も巻き込まれかねない未曾有の大混戦が生じる可能性も秘めながら、最終コーナーを回ったJ1戦線は運命の週末を迎える。 (文責・藤江直人/スポーツライター)