どうなる?混沌Jリーグ残留争い…残り6試合で4チーム降格…ガンバ、清水、徳島、湘南、大分、横浜FC、仙台らがサバイバル
大分の総得点「23」はリーグワーストに甘んじる。それでも理想より現実を優先させ、一丸になったチームの現在地は、片野坂監督が仙台戦後に残した言葉に凝縮される。 「内容ももちろん大事かもしれないが、私たちがいまほしいのは勝ち点3なので」 対する徳島の総得点もワースト4位の「28」にとどまっている。どちらが先制点を奪うかがカギを握るなかで、2試合連続で2ゴールをあげているFW垣田裕暉は、ゴールを奪い合った末に3-5で敗れた前節の横浜FC戦後に努めて前を向いた。 「下を向いても、結果を気にしても仕方がない。次の試合はもう始まっているので、いい準備をすることだけに集中したい」 その横浜FCは連勝を「2」に伸ばし、同時に徳島の連勝を「2」で止めた。 ただ、最下位を脱出したとはいえ、リーグワーストの総失点「69」を献上してきた、特に最終ラインの脆さは改善されていない。現時点でも8試合連続で失点中だが、夏場の移籍市場で加入した新外国人選手たちがチームを劇的に変えつつある。 最後尾のゴールマウスには東京五輪に出場したU-24ドイツ代表のゴールキーパー、身長188cm体重89kgのスベンド・ブローダーセンが定着。最前線では鹿島アントラーズも獲得に乗り出していると母国ブラジルで報じられた、24歳のFWサウロ・ミネイロが直近の3試合で4ゴールをあげて、救世主的な存在感を放ち始めた。 「打点が高いというか、何か不思議なタイプで。跳ぶこともあれば、途中でやめるところもある気分屋でもあるんですけど」 徳島戦でプロ初ゴールとなる決勝点を決めたルーキー、DF高木友也を思わず苦笑させたミネイロだが、身長184cm体重85kgの威風堂々とした身体に搭載された決定力は相手を畏怖させる。新天地に慣れるにつれて高さだけでなく、相手の最終ラインの裏に抜け出すスピードも融合させながら、さまざまなチャンスを横浜FCにもたらすだろう。 徳島戦ではミネイロの2ゴールなどで前半を3-1で折り返しながら、後半に垣田の連続ゴールで一時は同点とされた。その後に2ゴールを奪い返し、もぎ取った勝利に手応えをつかみつつも、MF松尾佑介は失点禍を止めたいと前を見すえる。 「チーム全体として、もう少し巧みに試合をコントロールできるようにならないと。何点取っても、相手に『同点に追いつける』と思われている状況なので」 対する湘南は、残留圏の15位で踏ん張っていた8月31日に浮嶋敏前監督が電撃辞任。山口智コーチが新監督に就任した9月1日以降は、天皇杯を含めた公式戦で2分け4敗と未勝利が続き、なおかつ複数ゴールを決めた試合がひとつもない。