森保ジャパンはW杯最終予選11月シリーズでGリーグ4位の危機を抜け出すことができるのか…指揮官が明かした構想とは?
序盤戦の4試合を終えたカタールワールドカップ・アジア最終予選で2勝2敗と出遅れ、7大会連続7度目の本大会出場へ向けて厳しい戦いを強いられている日本代表の森保一監督(53)が19日、オンラインによる囲み取材に応じた。 負ければ解任される可能性もあった12日のオーストラリア代表戦で2-1と辛勝したものの、現段階ではサウジアラビア、オーストラリア、オマーンに次ぐグループBの4位。カタール行きの切符を無条件で獲得できる2位以内に届かない苦境が続いている。 オンライン取材ではオーストラリア戦で急きょ採用した[4-3-3]システムの舞台裏や、MF久保建英(20・マジョルカ)やMF堂安律(23・PSVアイントホーフェン)ら負傷離脱者の今後に加えて、ともに敵地で臨む来月のベトナム、オマーン両代表戦での連勝へ向けて台頭してきた、キーマンとなりうる選手の現状についても語った。
「4-3-3」変更ヒントは岡田ジャパン
試合終了間際の失点で涙をのんだ「ドーハの悲劇」を、当時のハンス・オフト監督率いる日本代表のボランチとして経験してから28年。代表監督として臨んでいるアジア最終予選の序盤戦を、森保監督は「思うような結果ではない」と振り返った。 「厳しい戦いのなかで自分に突きつけられているものがある。もっと自分のなかで想像力を持たないといけないし、それをもとに予測力と準備力を上げていく必要がある。選手たちの戦い方を具体的にしてあげられるように、特に先を見すえる力、想像力はもっと、もっとピンポイントであてられるようにしていかなければいけない」 もう一敗も許されない、文字通りの崖っぷちに立たされた状況で迎えたオーストラリア戦では、指揮官が言及した想像力と予測力、準備力がぎりぎりで奏功した。 システムをそれまでの[4-2-3-1]から[4-3-3]にスイッチ。中盤の形を逆三角形に、前線を3トップにしたデータにない布陣がオーストラリアを戸惑わせ、序盤の主導権を握り、インサイドハーフに抜擢された東京五輪代表の田中碧(23・フォルトゥナ・デュッセルドルフ)が前半8分に決めた先制ゴールを導いた。 システムおよび先発陣の変更を決めたのは敵地でサウジアラビア代表に0-1で屈し、1勝2敗と黒星が先行した日本時間8日未明の第3戦後だった。 「何かを劇的に変えようと思ったわけではない。選手たちの立ち位置は変えないといけないが、基本的なベースに対する考え方は変えていない」 基本的なベースとはストロングポイントを巡る攻防で相手のそれを打ち消し、日本のそれを生かしながら、高い位置でボールを奪って素早く攻撃に繋げること。その上でヒントを求めたのが、2010年の南アフリカワールドカップだった。