2025年「戦後80年」で”密かに話題”、「戦史検定・公認参考図書」が教える「教科書には書いていない戦史」の”スゴすぎる中身”…!
1941年12月8日、日本軍の真珠湾攻撃を皮切りに日米間で戦端が開かれ、3年9カ月にわたる太平洋戦争が始まった。ただ、現代史の授業時間が圧縮されつつある中学では、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦とガダルカナル島を巡る戦いで日米の攻守が入れ替わり、サイパン島陥落とB29による日本本土空襲の始まり、住民を巻き込んだ沖縄戦、広島、長崎への原爆投下とソ連参戦、そして日本の降伏、という程度だ。 【写真】軍事誌発「伝説の航空機本」、そのすごい中身を公開する…! そんな中、民間の「戦史検定」公認参考図書として刊行された筒居譲二著『読む年表 太平洋戦争』(潮書房光人新社)が重版になるなど密かに売れ続けている。太平洋戦争の項目をコンパクトに時系列で学べるうえ、公教育では教えられない興味深い戦闘の歴史や政府・軍中央での出来事などを俯瞰できるとあって、戦史から教訓を学びたい令和のビジネスマンの間でも読まれている。 教科書は教えないが、日本人が知っておくべき戦争中の出来事を一部抜粋・再構成してお届けする。
ミッドウェー海戦と酷似 1942年4月9日
海戦直後のマレー沖海戦に続き、2日間にわたるインド洋海戦は、イギリスに日本海軍の実力を高く認識させる結果となった。英東洋艦隊はセイロン島は危険であるとして判断、インド西岸のボンベイ、その後マダガスカル島まで撤退を余儀なくされる。 結果、インド洋東側での作戦行動を断念、大戦末期まで積極的な作戦は控えられた。 しかし、この海戦では多くの教訓があった。日本側の暗号が解読され英東洋艦隊がセイロン島近海で待ち伏せていたこと、敵空母伏在の疑いがあるにもかかわらず、偵察が不十分で日本艦隊の近距離(最短で100海里)を行動していた英艦隊を発見できなかったこと、5日のコロンボ空襲の際に英重巡を発見し兵装転換(雷装→爆装→雷装)を行ったこと、9日には英軍機の接近に気づかず、空母「赤城」が攻撃準備中に奇襲されたこと等は2カ月後のミッドウェー海戦と酷似していたが、これらのことは生かされなかった。