「今日世界が終わるのにバイトに行くの…?」劇的な状況の中で決めた主人公の選択に「美しいお話」と読者から多くの反響【作者インタビュー】
「もしも世界が終わるとしたら」。そんな空想をするとき、普段ならできないことや最後だからのとっておきを考える人も多いだろう。けれど、仕事をするという選択肢だってあるもので…。真顔逸華(@magao_1)さんの創作漫画「地球最後の日バイトに出勤した」は、pixivで2000件超のブックマークを集める作品だ。 【漫画】本編を読む 隕石の落下で地球滅亡が避けられないと誰もが知った世界で、最後の日にバイト先に出勤することを決めた、とある女子大生「物部さん」と、バイト先の同僚「設楽さん」の終末の過ごし方を描いた短編。都合よく滅びが回避されることもなく世界の終わりを迎える結末ながら、「美しいお話」と反響を呼んだ同作の制作秘話を、作者の真顔逸華さんに聞いた。 ■地球最後の日の特別ではない終わり方 本作のアイデアや、ストーリーを膨らませるきっかけについて、作者の真顔さんは「以前スーパーで働いていたときにこの経験を漫画に活かせないかと考え、題材にしました。そこに王道のシチュエーションである『地球の終わり』を掛け合わせてストーリーを組み立てた形です」と話す。 とある女子大生「物部さん」とバイト先の同僚「設楽さん」の終末の過ごし方を描いた本作。二人の人物像や、キャラクターの見せ方について「僕は『ただそこにいるだけで非日常が生まれてしまう人間』が大好きで、設楽さんにはそう見えるような行動・言動を意識して描いた記憶があります。物部さんはごく一般的な自己肯定感の低めの人間で、その少し下向きな内面が設楽さんと過ごす時間とともに段々上向きになっていく感じをイメージして描きました」と明かす。 本作では登場人物の表情や仕草、構図が印象的だ。作画でこだわったポイントや、お気に入りのシーンについて聞くと「作画でこだわったポイントは表情ですね。終末の絶望感から会話をはさんで少しずつ明るくなっていく様を表情を通して描写しました。お気に入りのシーンはやっぱり二人が帰路で吹っ切れるシーンです!このシーンは描いていてとても楽しかったです」と返事が返ってきた。真顔さんは本作以外にも多くの作品を描いている。他の作品と異なり、本作は「『周りからすればとても小さなことだけど本人にとっては大きな変化』みたいなものを漫画に描き起こそうと頑張った記録」だと言う。興味を持った方はぜひチェックしてみてほしい。 取材協力:真顔逸華(@magao_1)