【イマドキの大学ゼミ】「ステマ」問題どう考える? 会社経営の教授から学ぶビジネス力
現実の社会問題にチームで取り組む
3年の春原響さんと明田花織さんは、渡部ゼミの10期生です。同期の10人が2グループに分かれ、2年の1月からゼミ活動を始めました。2人が所属するグループが取り組んでいるテーマは、「ステルスマーケティング(ステマ)」。ステマとは、広告であることを隠して商品やサービスを宣伝する行為のことで、学生も被害者になりうる身近な題材を選びました。 ゼミがスタートしてまだ短期間ですが、グループリーダーを務める春原さんは、活動についてこう話します。 「現状を把握するため、インターネットでの情報収集から始めました。そこから問題点を挙げ、『消費者側』『商品を売りたい企業側』『情報を広めるインフルエンサー側』の3つに整理しました」 インターネットだけでは情報が限られるため、消費者庁や内閣府消費者委員会、企業などさまざまな分野の専門家にインタビューを行い、より信憑(しんぴょう)性が高く、内容が詳しい情報を集め、研究をどう進めていくべきか検討しながら活動を進めています。 「ゼミ活動はわからないことばかりで、初手からつまずきました。簡単にネットで検索できると思っていたのですが、ステマに関する法律が整った(景品表示法の規制対象に加えられた)のが2023年10月で、情報がネット上にあまり出回っていません。渡部先生から最近の文献などを調べてみるようアドバイスをもらい、論文検索サイトを調べることにしました。また、消費者庁や消費者委員会といった、信頼度の高い公的機関のホームページから情報を入手することも心がけるようにしました」 現実社会の新しい課題をリアルタイムで取り上げているため、資料も少ないし、解決策は誰にもわかりません。当初は渡部教授の指示がないと動けない状態でしたが、だんだんやるべきことがわかってきて、「まずは自分たちでやってみて、その結果を先生に報告し、フィードバックを得て修正していく」というやり方に変わってきました。