木村花さん「テラスハウス」問題にBPO見解 放送倫理上問題あるも人権侵害認められず
出演した恋愛リアリティー番組「テラスハウス」(フジテレビ系)が発端となり視聴者からSNS上で誹謗中傷を受け、昨年5月に死去したプロレスラー・木村花さん(享年22)の件で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は30日、公式サイトで「放送倫理上問題あり(補足意見、少数意見付記)」とする見解を発表した。この件については演出面はじめ番組側の責任を問う声も出る中、昨年7月に母親で元プロレスラー・木村響子さんが花さんが同番組で暴力的な女性のように描かれるなど過剰な演出があったためSNS上に批判が殺到、人権侵害があったとして申立書をBPOに提出。同年9月から審理に入っていた。
BPO放送人権委員会で取り上げられた論点
放送人権委員会では以下の点を論点として取り上げたという。 ■本件放送に過剰な演出はあったか ■予告編や未公開映像、副音声が視聴者に対する過剰な煽りとなっていなかったか ■帽子のシーンを台本によらない自然な行動として放送したことに、人権侵害や放送倫理上の問題はあるか ■出演にあたって締結した同意書兼誓約書が、木村花氏の自由な意思表明や行動を過度に抑制する要因となったか ■第38話の Netflix 配信後の経緯において、本件放送を行ったこと自体に人権侵害や放送倫理上の問題はあるか ■第38話の Netflix 配信後の、フジテレビの木村花氏への対応に問題はなかったか ■木村花氏が亡くなった後のフジテレビの対応に問題はあるか そして同委員会は「リアリティ番組出演者遺族からの申立て」に関する決定として「委員会は、審理の結果、人権侵害は認められないとしたが、出演者の身体的・精神的な健康状態に関する配慮が欠けていた点について、放送倫理上の問題があったと判断した。その上で、フジテレビに、本決定を真摯に受け止め、改善のための対策を講じることを要望した。なお、本決定には補足意見と2つの少数意見が付記された」と発表、決定に至る概要はじめ詳細について公式サイト上に公表している。