G大物OBが阪神との首位攻防戦に2敗1分で完敗した原巨人に喝!「采配を間違った。巨人は命がけで野球をやっていない」
首位攻防戦はG党にとって衝撃的な結末となった。9月3日からの阪神―巨人3連戦は、阪神が2勝1分で首位を奪回した。原巨人は、首位固めをする考えで挑んだが、第1、第2戦は逆転負け、そして第3戦は6―0から引き分けに持ち込まれる「負けに等しい引き分け」で阪神に圧倒された。巨人は立て直して逆転の3連覇を果たせるのか。それとも虎がこのままVロードを突っ走るのか。巨人OBの“大御所”広岡達朗氏に今後の展望を聞いた。
ブルペン崩壊「桑田投手コーチは仕事をしているのか」
TG首位攻防戦の第3ラウンドは、巨人が岡本の連夜の35号3ランなどで先手を取り5回終点時点で「6-0」と大量リードしていた。巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡氏は、その時点で一度、テレビのスイッチを切ったという。 「巨人が完全な勝ちゲームをひっくり返されるとは驚いた。巨人が命がけで野球をやっていない証拠だ。チーム事情は知らないが、中心選手の坂本を引っ込め、6回の丸の信じられないようなエラーから悲劇は始まった。続けてショートに入れた若林がミス。そのあとエラーした廣岡もそうだが、内、外野、どっちつかずのことをやらせているからミスが起きる。こういう選手の使い方には反対。坂本の交代も含め原の采配が間違っていた」 広岡氏は厳しく断罪した。 4点のビッグイニングを許した6回は、先頭、中野の右中間を襲う打球を追いついていた丸がグラブの土手に当てて落球する“大チョンボ”から始まった。これが三塁打となり、6点の余裕があることから、“積極的な休養交代”でベンチに下がった坂本に代わりショートに入った若林が、サンズの打球をファンブル。連続ミスにより1点を失い、息を吹き返した阪神の打者一巡の猛攻を止めることができなかった。 2敗1分けで阪神に再び首位を明け渡した巨人の問題点はハッキリしている。 ブルペンの崩壊と追加点を奪うことができなかった打線、特に丸の不振が深刻だ。 巨人は3連戦すべてで先制したが、第1戦は3点差を追いつかれ、第2戦では外国人選手記録となる32試合連続無失点を打ち立てた“守護神”のビエイラまで1点を守りきれず大山に逆転サヨナラ2ランを許した。第3戦は、5回まで6点差をつけておきながら守備の乱れなどからビッグイニングを与えて引き分けに終わった。 9回裏には、一死一、三塁のサヨナラピンチを迎え、原監督が自らマウンドにいき、ビエイラにハッパをかけた。梅野を球威で押し込みライトへの浅いフライに打ち取って犠飛でのサヨナラという場面を回避したが、3連敗していてもおかしくなかった。鍵谷、大江、高梨、デラロサらの中継ぎ陣が総崩れだった。 広岡氏は、ブルペン崩壊の理由をこう分析した。 「巨人のピッチャーはみんな疲れて見える。特に中継ぎ投手にボールのスピードがない。みんな小手先の変化球でかわそうとしている。カウントが不利になってから変化球で勝負しても通用しない。今年から投手コーチ(1軍チーフコーチ補佐)として入った桑田には大いに期待していたが、結果は出ていない。内部のことはわからないが、本当に投手コーチとしての仕事をしているのかと疑問が浮かぶ。まずスピード、球威を磨き、もう一度、基本のボールの力を取り戻さなければ変化球も生きてこない。それには正しい投球フォームに修正することが大事で、再調整でファームに落とされるのであれば、そこで鍛え直さねばならない」 そして原因をつきつめると「問題は先発にあり」とも指摘した。