なぜ阪神は異例のマイナスゲーム差で首位から3位に転落したのか…カープ3連敗で浮かびあがった3つの問題点
阪神がついに首位陥落した。阪神は29日、敵地のマツダスタジアムで行われた広島戦に0-5で敗れ、同日、2位の巨人、3位のヤクルトがそれぞれ勝利したため、ゲーム差では上回っているが、勝率で2チームに抜かれるという異例の現象が起きて4月4日の中日戦以来守ってきた首位から陥落、一気に3位となった。首位の巨人ともマイナス0.5ゲーム差。日替わり首位交代、3強のV争いになる可能性が高くなってきたが、阪神にはズルズルいく危険な兆候が見え隠れしている。
「最終的に一番上にいることが大事」
幕切れは象徴的シーンだった。 5点ビハインドで迎えた9回。二死二、三塁となると、矢野監督は、スタメンを外した怪物ルーキーの佐藤を代打に送った。マウンドには、島内。フルカウントから高めに投じられた151キロのストレートにバットは空を切った。弱点とされている空振りゾーン。悩める佐藤の連続無安打は25打席となった。 0-5の完敗。 デーゲームで1.5ゲーム差だった2位、巨人が中日に勝ち、巨人と0.5ゲーム差の3位、ヤクルトが横浜DeNAに勝ったため、ゲーム差では阪神が上回るが、勝率で3位に転落するという珍現象が起きた。実感を抱きにくい首位陥落だが、巨人と最大8ゲーム差をつけ4月4日以来、守っていたトップの座から一気に3位まで落ちることになった。 関西のスポーツ紙各社の報道によると矢野監督は、「最終的に一番上にいることが大事。こういうことは受け止めているし、別に気持ちが下がって落ち込む必要もない。前を向いてやっていくしかない。今までの自分たちの野球をどうやっていくかだと思う」とコメントしたという。 阪神は引き分け数が3しかないが、巨人が12、ヤクルトが11あるため勝率で抜かれた。ただ、勝ち星は阪神が55で巨人より5つも多い。単なる数字上の首位陥落で大ショックを受ける結果ではないのだが、後半戦の再開後、横浜DeNA、中日、広島というBクラスチームを相手に7勝8敗と苦戦しており、対広島3連敗の内容が悪すぎるのが問題だ。 首位陥落で浮かび上がった問題点は3つある。 一つ目、二つ目の問題点は初回に現れた。先発陣の崩壊と、昨年以来の課題の守備の乱れである。