当時モノ定番アイテムでカスタムして725万円!「ミニといえばクーパーS」ですがオースティン「ミニ クーパーS Mk II」ならまだ手が届く!?
現役当時の定番パーツでまとめた、センスの良いクーパーS Mk II
今回RMサザビーズ「The Dare to Dream Collection」オークションに出品されたオースティン ミニ クーパーS Mk IIは、もともと輸出用として生産された左ハンドル仕様車だった。 BMCグループ各ブランドの記録を司る「ブリティッシュ・モーター・インダストリー・ヘリテージ・トラスト(BMIHT)」の発行した証明書によると、日本のミニ愛好家の間では「ナス紺」とも呼ばれる「アイランド・ブルー」と、「スノーベリー・ホワイト」のルーフによる2トーン外装。ブラック内装の組み合わせで、1969年2月25日にラインオフしたとのこと。 オリジナルの販売明細書のコピーによると、1969年7月15日にカナダ・ブリティッシュコロンビア州ヴィクトリアの「ホーウッド・ブラザーズ・モーターズ」社から新車としてデリバリーされたもので、そのエンブレムが車両後部に残っている。 のちにセカンドオーナーがまとめた履歴によると、このミニ クーパーSのファーストオーナーもブリティッシュコロンビア州在住で、41年間にわたってこのクルマを所有していたものの、後半の20年間は車庫保管されたままだったという。 そのため、同じくブリティッシュコロンビア州に住む2代目オーナーはオリジナルの仕様に戻すため、クラシック・ミニの専門家やパーツサプライヤーたちと協議しつつ、2011年から段階的なアプローチでボディまわりおよびメカニズムのレストアに着手した。 その修復プロセスは2012年まで続き、ミニ・スペシャリストが、このナンバーズマッチのエンジンをベースとしながら、レース仕様パーツを駆使してフルリビルド。さらに、レザーの「コルビュー」社製バケットシートや「ミニライト」スタイルのアロイホイールなど、このモデルの現役時代からミニの定番とされてきたアフターマーケットパーツで補強が施された。 くわえてこのとき追加されたのは、車高調整を可能とするサスペンション「Hi-Loキット」、クイックシフト・キット、追加ダッシュボードと補助メーター、4連のドライビングライト、スキッドプレートなど、性能やハンドリング、信頼性も向上させるパーツ。それらは同時に、きわめてセンス良くまとめられている。 そしてこのレストアが終了したのち、2012年末に「The Dare to Dream Collection」が入手したこのミニ クーパーSは、完全に改装された状態で良好な保存状態を保っており、部分的に穏やかな「パティナ(軽度の傷や退色)」が見られるものの、それ以外はほとんど使用された形跡がないという。また、オークション公式ウェブカタログ作成時のオドメーターは2万7523マイル(約4万4000km)を表示していたが、このメーターが新車として生産された際から受け継がれたオリジナルかどうかは不明とのことであった。