当時モノ定番アイテムでカスタムして725万円!「ミニといえばクーパーS」ですがオースティン「ミニ クーパーS Mk II」ならまだ手が届く!?
膨大なヒストリーファイルも付属される
今回のオークション出品に際しては、オリジナルの販売明細書にBMIHT証明書、1970年までのサービス請求書、レストア時の写真、純正オーナーズマニュアル、2011年以降に行われたすべての作業に関する詳細な解説資料を含む、膨大なヒストリーファイルも、ともに提供されることになっていた。 そして、このなかなか魅力的なミニ クーパーS MK IIについて、RMサザビーズ北米本社は4万ドル~5万ドル(約597万円~約746万円)という、かなりの自信をうかがわせるエスティメート(推定落札価格)を設定したのだ。 ところで、今回の「The Dare to Dream Collection」オークションは、すべて「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」形式で行われるというのが前提条件。したがって、たとえ入札が希望価格に到達しなくても落札されてしまう可能性もある。 しかも、エスティメートの段階からけっこう高価だったこともあって、「リザーヴなし」ではしばしば起こりうる安価な落札もオーナー側では危惧しただろうが、競売が終わってみればエスティメートの想定内に収まる4万7040ドルで落札されるに至った。 すなわち、現在のレートで日本円に換算すれば約725万円。現在の慢性的な円安の為替レートを加味してもなお、近年の日本のクラシックカー市場で散見される1000万円超えのミニ クーパーSよりはリーズナブル……? と見る向きもあるかもしれない。 しかし、世界的にもっとも高値で取引されるクーパーSは、ローバー ミニを含むのちの世代のミニをベースに、わざわざレプリカ仕様が製作されるほどに人気の高い「MK I」がほとんど。 だから今回のハンマープライスは、現在の国際マーケットにおけるMK IIとしては、ハイエンドに近いものと考えられるのである。
武田公実(TAKEDA Hiromi)