明日号砲!混戦模様の箱根駅伝を制するのはどこ?青学大、東海大、駒大の”3強対決”か、それとも…
全日本を6年ぶりに制した駒大は、エントリー選手上位10人の10000m平均タイムで“過去最速”となる28分26秒80でトップにつけている。 【駒大】1区加藤淳(4年)2区田澤廉(2年)3区青柿響(1年)4区酒井亮太(2年)5区円健介(2年)6区花崎悠紀(3年)7区花尾恭輔(1年)8区伊東颯汰(4年)9区山野力(2年)10区神戸駿介(4年) 補欠:小林歩(4年) 石川拓慎(3年) 佃康平(3年) 唐澤拓海(1年) 白鳥哲汰(1年) 鈴木芽吹(1年) 全日本1区を3位で好スタートを切った加藤淳(4年)が1区、全日本8区で大逆転を演じた田澤廉(2年)が2区に入った。全日本は最後の最後でトップを奪ったが、箱根は“先手必勝”ともいうべき戦いが理想になる。 加藤は日本インカレ5000mで4位に入っている実力者で大きく遅れる心配は少ない。2区田澤は日本選手権10000mで日本人学生歴代4位の27分46秒09をマークしており、学生長距離界のエースといえる存在だ。ケニア人留学生のハイペースに食らいつくこともできる。2区で青学大と東海大を一気に引き離したいところだろう。 前回は3区、4区、7区、10区が交代している。順当なら補欠登録の小林歩(4年)と鈴木芽吹(1年)はポイント区間での起用が濃厚だ。特に日本インカレ5000mで3位に食い込んでいるスーパールーキー鈴木の入る区間に注目したい。スピードのある選手だが、東海大・両角監督が「5区候補」として熱心に勧誘していたという話もある。鈴木が5区に入ることも十分に考えられる。 6区も当日変更が有力で、5人エントリーされた1年生が入る可能性もある。山区間を1年生が好走すれば、来年、再来年と続く“黄金時代”がやってくることになりそうだ。優勝争いという意味では、6区終了時で後続に1~2分のリードを確保できれば、そのまま逃げ切ることができるだろう。2年連続で5区を担った伊東颯汰(4年)が8区に 入っており、この区間で勝負を決めたい。 優勝ラインが下がると、エントリー選手上位10人の10000m平均タイム2位(28分31秒77)の明大にビッグチャンスがめぐってくる。全日本でも3位に入っており、選手層の厚さは“3強”以上。優勝すると実に72年ぶりの快挙となる。 それから前回シード権を獲得している東京国際大と創価大もレースを占う意味でも要注意だ。東京国際大は1区に前回1区区間13位で10000m28分39秒63の丹所健(2年)を、2区に前回3区で驚異的な区間記録を打ち立てたイェゴン・ヴィンセント(2年)を入れてくることが考えられる。創価大は1区に前回4区区間4位で10000m28分19秒26の福田悠一(4年)、2区に日本インカレ10000m2位で10000m27分50秒43のフィリップ・ ムルワ(2年)を登録した。 両校は2区でトップ争いを演じるだけでなく、日本人エースの走りにも影響を及ぼすことになる。青学大・中村には厳しいペースでも、駒大・田澤にとっては“絶好のペースメーカー”になるからだ。“3強対決“には他校の要素も十分に絡んでくる。 また箱根駅伝は天候との戦いもある。そしてナイキ厚底シューズの影響で記録ラッシュの期待も十分。今回もエキサイティングなレースが堪能できそうだ。 (文責・酒井政人/スポーツライター)