北の富士さんに角界から追悼続々 元横綱・白鵬の宮城野親方「厳しさの中に優しさが…解説を聞いて勉強」
◇大相撲九州場所12日目(2024年11月21日 福岡国際センター) 元横綱で相撲解説者の北の富士勝昭さん(本名・竹沢勝昭=たけざわ・かつあき)が死去していたことが20日に分かった。82歳だった。訃報を受け、元横綱・白鵬の宮城野親方(39)らが追悼した。 【写真】2006年、解説席で笑顔を見せるNHKのゲスト解説を務めた星野仙一さん(当時阪神SD)と北の富士勝昭さん 元横綱・白鵬の宮城野親方は、「体調は良くないと耳にしていましたが、今年の名古屋場所でテレビ出演されて、お元気になることを信じていました。厳しさの中に優しさがあり、必ず取組後に解説を聞いて勉強していました。2008年旭川巡業では食事に連れて行っていただいたり、ゴルフをご一緒させていただいたことが思い出されます。心よりご冥福をお祈り申し上げます」としのんだ。 また、元大関・千代大海の九重親方は「ビックリしたのがまず本音。2年前の国技館の解説のときに北の富士さんに会った。解説がうまいな、声がいいな、分かりやすいなと言われたのが最後だった。北の富士さんから解説がうまいと言われてうれしかったのが最後の記憶になります。(自分の)九重(部屋)で早く三役を出すのが供養と思う」と話した。 元横綱・旭富士の伊勢ケ浜親方は「回復してくれると思っていた。いずれ復帰すると思っていたので残念です。横綱を2人育てた。(自分も)そうなれたらいいなと尊敬しながら接して残念です。入院してから病院にも行きたいと思って、伝えていたが、病院に行けなかった」と惜しんだ。 北の富士さんは1974年7月に引退した後、年寄「井筒」を襲名。井筒部屋を起こしたが、77年の九重親方(元横綱・千代の山)の死去に伴い九重部屋を合併。師匠として千代の富士、北勝海の2横綱を育てた。98年初場所後には理事選挙に絡む騒動もあって相撲協会を退職。同年の春場所からNHKの大相撲中継の解説者を務めた。忖度のない力士たちへの叱咤激励、的確な解説で人気になった。