なぜ箱根駅伝で王座を奪回した青学大の原監督は「厚底シューズ効果」について語らなかったのか?
箱根駅伝は往路を驚異的なタイムで走破した青学大が復路も快走。大会記録を7分近くも短縮する10時間45分23秒で2年ぶり5回目の総合優勝に輝いた。 前回、5連覇が途切れた青学大だが、今季は出雲駅伝5位、全日本大学駅伝2位から箱根駅伝にピタリと合わせてきた。前回王者・東海大と往路V2の東洋大が主力を欠いたなか、抜群の調整力を発揮。区間配置も絶妙だった。 「選手の能力とコースの適応性を見ながら区間割りをしているので、エースだから2区とか、そういう概念がないんです。2区に適した強い子。1区に対応できる強い子。そういうかたちでハメこんでいった結果が今回の10区間になりました」(原晋監督) 往路は1区吉田圭太(3年)が首位と18秒差の7位で発進すると、2区岸本大紀(1年)でトップに立った。3区鈴木塁人(4年)は東海大を49秒引き離して、4区吉田祐也(4年)が衝撃の区間新。5区飯田貴之(2年)も区間新(区間2位)で山を駆け上がり、3年ぶりに往路Vを達成した。 復路も6区谷野航平(4年)が区間3位と好走して、7区中村友哉(4年)も区間4位。8区岩見秀哉(3年)は区間賞と1秒差の走りで東海大を寄せつけない。そして、9区神林勇太(3年)が区間賞の快走で勝負を決めた。最後は10区湯原慶吾(2年)が歓喜に沸く大手町に笑顔で帰ってきた。 「大袈裟に言えば24時間365日。今日、箱根駅伝があればどういうメンバーを組むのか。常にシミュレーションしてきました。1区に吉田圭太を置くことで、東京国際大の外国人選手が来たとしても絶対に大きく遅れるようなことはない。先頭から100m以内で来る。その差を2区で埋めるためには、岸本しかいなかった。そこはピタッとハマりましたよね。 東海大はどうかというと、1区鬼塚(翔太)君は圭太とほぼほぼ同じくらい。2区は誰が来ても岸本なら秒差で渡せる。3区は絶好調になってきた鈴木で引き離せて、4区吉田もいける。吉田はあそこまで走るとは思いませんでしたけどね。東海大に2分勝って5区に渡せるかなと。そして飯田も詰められなかった。復路のキーは6区と9区。6区は58分半くらいでいけると踏んでいました。7区は(東海大に)詰められると思っていたんですけど、8区を耐えて、9区が勝負だと考えていたんです。8区岩見が遊行寺の坂をしっかりと走っている姿を見て、勝ったなと思いましたね」