自動認識技術で目指すは「信頼の可視化」バーコード、ICタグでひも付け…企業の経営課題を解決 サトーホールディングス・小沼宏行社長
「もしバーコードが読めないという問題が発生した際、紙を扱う会社さんは『ラベルプリンターの調子が悪いのでは』と言い、プリンターを扱う会社さんからすると『紙の質が悪い』、スキャナーを扱う会社は『バーコードの品質が悪いので読めない』といった話になります。われわれの場合は全部やってますから、全部責任を取って対応します」
現場での改良点など全社員がアイデア提出
――今後、事業領域はさらに広がりますか
「これまでは自動認識技術により省力化や正確性などを高めてきましたが、その技術をエモーショナル(感情的)な領域に広げることで、エンターテインメントの世界でのビジネス展開も考えられます。いろんなチャレンジを仕掛けているところです」
――社員がアイデアを出す仕組みがあるそうですね
「『三行提報』という仕組みを50年近くやっています。全社員が社長宛てに毎日、127文字までの提案や報告を行うということです。お客さまの現場で聞いた話や、製品をこう改良すべきだなど、メーカーの人間が直接現場に行くからこそ、アイデアが浮かびます。それが社長に届くので対応のスピードも速いと思います。社員の側も日々、街を歩いていてもお客さまのところへ行ってもアイデアを探すようになります」
――海外事業の展開は
「26カ国に現地法人を持ち、約90カ国とビジネスをしています。売上比率は国内と海外でほぼ五分五分です」
――目指す企業の将来像は
「売り上げや規模だけを追いかけて世界一を目指すというのはちょっと違うかなと思っています。それよりも必要とされ続け、長く付き合う会社、最も信頼される会社になりたいですね」
母親と新生児〝結ぶ〟リストバンド開発/休肝日は「はちみつ入り紅茶」
【引っ越し】東京出身だが転校が多く、小学校は3校、中学校は2校通った。
「知らない人と話すのは得意ですね。転校した場合、最初のあいさつに失敗するとなかなかいいコミュニケーションを取るのが難しい面もあります。そういう意味ではいまでも最初のあいさつを重視しています」