自動認識技術で目指すは「信頼の可視化」バーコード、ICタグでひも付け…企業の経営課題を解決 サトーホールディングス・小沼宏行社長
【トップ直撃】 バーコードやRFID(無線周波数識別)などの自動認識デバイスをモノに貼り付けて情報を集める「タギング(タグ付け)」の分野で、グローバルに事業を展開する東証プライム上場企業がサトーホールディングスだ。商品に値札を付けるハンドラベラーの製造から発展し、IoT(モノのインターネット)時代には自動認識ソリューションで企業の経営課題を解決する。小沼宏行社長(51)に会社が目指す将来像を聞いた。 自社製ラベルプリンターなど合わせて提供 ――「自動認識ソリューション」を主力業務としています 「バーコードやICタグなどの自動認識技術を使って、あらゆるモノや人に情報をひもづけ、業務を可視化することです。省人化や省力化に役立つほか、製品のトレーサビリティー(追跡可能性)や賞味期限の管理など、企業の経営課題を解決することができます。自社製品のラベルプリンターなどと組み合わせて提供しています」 ――タギングとはどういうものですか 「SNSのハッシュタグ(目印)のようなものですね。モノに情報を与えて上位の仕組みにつないでそれを生かすということです。情報の与え方にも実は技術があって、われわれなりに磨いています。具体的には、ぬれても剥がれないラベルとか、病院の患者さんの場合は外れないリストバンドにしたり、太陽光にさらされるガスメーターに貼っていても退色しないラベルなどです」 ――対象とする業種は 「製造業や物流、小売、ヘルスケア、食品などの市場が主力です。国内でこれだけ幅広く対応している企業は珍しいと思います。そこにプリンターやラベル、スキャナー、ソフトウエア、保守などをまとめて手掛けています。うちはスーパーの商品に値札を付けるハンドラベラーを作っていましたが、当初は『198円』などの目視情報しか付けられませんでした。それがバーコードになって、ICタグやセンサーになって情報がたくさん入れられるようになったことで、自動認識技術を物流や生産システム、マーケティング情報にも生かせます。たとえば、店頭の商品が売れなかった場合、棚の位置に問題があったのかなどの情報を取ることもできます」 ――一気通貫での対応は顧客にとってメリットが大きい