神田沙也加さん宿泊先の札幌で死去 ミュージカルはじめ多くの作品で親しまれる
歌手で俳優の神田沙也加さん(享年35)が18日午後9時40分に亡くなったことがわかった。所属事務所が19日発表した。NHKなどマスコミ各社の報道によると神田さんは18日昼ごろ宿泊先の札幌市内のホテルで倒れているところを発見され、病院に搬送され手当を受けたがその後死亡が確認されたという。所属事務所の発表によると詳しい状況は現在調査中とのことだ。神田さんは主演ミュージカル「マイ・フェア・レディ」札幌公演のため同地に滞在していた。
歌手、俳優、声優…数多くの作品を残す
神田さんは1986年東京都の出身。俳優の神田正輝(70)と歌手の松田聖子(59)の長女で1999年、米ロサンゼルスの日本人学校に留学していた12歳の頃、短編映画「ビーン・ケーキ(おはぎ)」(デイビッド・グリーンスパン監督)にヒロインの小学生・三原およし役で出演。同作は1933(昭和8)年の東京の小学校を舞台にした約12分のモノクロ作品で、2001年に第54回カンヌ国際映画祭短編部門でパルムドール(最高賞)に輝いたことが当時話題になった。 その後、SAYAKA名義で正式に芸能界入り。2002年にはドラマ主題歌の「ever since」で歌手デビューを飾り、2003年になると妻夫木聡主演の映画「ドラゴンヘッド」(飯田譲治監督)のヒロイン・瀬戸アコ役で本格的に俳優デビューし、竹野内豊主演の「ヤンキー母校に帰る」(TBS系)の生徒・古賀なな恵役でドラマデビューも飾った。 2004年には約20倍という競争率のオーディションを勝ち抜き、宮本亜門演出のミュージカル「INTO THE WOODS」で赤頭巾役に抜擢された。高校卒業時に活動休止した期間もあったが、ミュージカルをメインに着実にキャリアを重ねていった。 そして2014年にはヒット映画「アナと雪の女王」の日本語吹き替え版で主人公・アナ役を好演し大晦日の第65回NHK紅白歌合戦の企画コーナーに出演。英語版キャストのイディナ・メンゼルとニューヨーク・マンハッタンの特設会場で事前収録で歌唱した「生まれてはじめて」を披露。神田さんが日本語でアナのパートを、イディナが英語でエルサを歌う日米スペシャルコラボが話題となった。2018年にはミュージカル「キューティ・ブロンド」のエル・ウッズ役が評価され、念願だった第43回菊田一夫演劇賞を受賞している。 歌手として俳優として、また声優としても活躍し多くの作品を残している神田さん。死去の報道を受けネット上には「ショックが大きい」「神田さんの創り上げるアナが大好きでした」「親の後光に頼らず、努力して夢と幸せを掴んだ人だった」など神田さんの急逝を惜しむ声が多数寄せられている。 (文・志和浩司)