本田美奈子.さんが遺した想いとは 早見優と半崎美子に聞く
2005年に急性骨髄性白血病のため38歳で早逝した歌手、本田美奈子.さんが闘病中に遺した散文から新たな楽曲「地球へ」が生まれた。シンガー・ソングライターの半崎美子が同名の散文をもとに作詞作曲、さらに歌手の早見優が英語バージョンを「Dear Earth」として英訳詞を作り世界に向け配信するという。曲作りに携わった2人に聞いた。 【写真特集】本田美奈子.さんの想い語る早見優と半崎美子
早見が明かす本田さんの想い出 心こもるホットケーキ
「私がデビューしたのは1982年ですが、当時の芸能界は半年でもデビュー時期が違えば先輩後輩のポジションがはっきり決まっていたんです。私の半年前にデビューした松本伊代ちゃんのことを私は『伊代さん』と呼んでいたぐらいです。なので私より3年後にデビューした美奈子ちゃんは、私を『優さん』と呼んでいました」 早見は、懐かしそうに本田さんとの思い出を振り返る。 「歌番組が多かったので美奈子ちゃんとはよく話す機会がありましたが、3年間に渡って上演したミュージカル『レ・ミゼラブル』(1996年から本田さんがエポニーヌ役、早見はコゼット役)の共演でとくに仲良くなり地方公演のときホットケーキを作ってくれたりしました。美味しいんです」 そのホットケーキの味には本田さんの優しさがつまっていたのだとか。 「美奈子ちゃんは努力家でアイドル時代の歌い方と、ミュージカルに転向してからの歌い方がぜんぜん違う。どちらも素敵で個性的ですごく勉強されていました。でも普段は大変なところは見せずにいつも笑顔。私のパートなんかめちゃくちゃキーが高くて『なぜ私この役やらせてもらってるんだろう?』って毎日終わってから悩んでいたのですが、美奈子ちゃんはサバサバとした口調で『大丈夫よ』って励ましてくれて。『美味しいもの食べると元気が出るから』って。ホットケーキにもそんな気遣いがこもっていたように思います」
間近で感じたのは優しさだけではない。 「美奈子ちゃんはフランクでソフトな感じで接してくれましたが、芯はすごく強かったと思います。みんなで朝、発声練習やストレッチをするのですが絶対来ないんです。ある日『なんで来ないの?』って聞いたら『起きれないから』って(笑)。『えっ? それであんなに声が出ちゃうの?』って。天才ですよね。でもそれでいてすごく可愛いおじさん的な面もあって。のどを冷やしちゃいけないからだと思うのですが、いつも首にタオルを巻いて楽屋を行ったり来たりしてました」 なお早見は英語バージョンを2人の娘とともに初めての親子3人共演で歌唱している。