海外メディアは森会長辞任→後任川淵氏のニュースをどう伝えたか…「日本女性の多くが幻滅」との指摘も
USAトゥデイ紙は「日本の報道によると東京2020五輪(組織委員会の森)会長が性差別発言で受けたプレッシャーの渦中で辞任する」との見出しで、森会長辞任の報道を伝えた。 記事は「日本の元首相である森氏は、その発言(女性蔑視発言)が広く報じられた後に謝罪したが、当初は辞任する意思がないと語っていた。だが、日本と五輪運動の両方からのプレッシャーが高まる中で、この考えに変化が起きたようだ」と紹介。「複数の日本の有力政治家が森氏の発言を非難するか、辞任を求めるために進み出た。そして有力な五輪スポンサーであるトヨタの豊田章男会長が、森氏の女性蔑視発言に関して『私たちトヨタが大切にしてきた価値観とは異なっており誠に遺憾であります』と述べた」と続け、辞任までの背景を説明した。 「組織委員会のトップは男性が圧倒的多数となっている。日本のニュースメディアは、84歳で元日本サッカー協会会長の川淵氏が森氏の後任になりそうだと伝えている。この騒動は東京大会の開幕まで半年を切った五輪組織者にとって困った時期に起きた。組織側は新型コロナウイルスの最中に五輪を開催する計画を取りまとめるだけでなく、疑念を抱く日本の世論に対して大会が安全に開催できるとの説得を行っている。日本はすでにパンデミックで1年延期された五輪とパラリンピックに150億ドル(約1兆5700億円)以上を費やしてきた」と、今後の展開についての懸念をも示した。 CBSスポーツは森辞任のニュースを伝える中で「このリーダーシップの交代は、たとえ関係者が(開催を)主張していようとも実現できるかどうかが、まだ完全にハッキリとしていない開会まで6カ月という前例のない時期に起きている」と指摘。「世論調査では日本で80%の人々が五輪は中止されるべきだと考えている点も注目に値する」と五輪の開催問題と関連づけている。