宇宙人からのメッセージ? 「Wow!シグナル」の謎が解けるかも
宇宙人からの発信?
Wow!シグナルがこれほど注目を集めた理由は、その帯域幅が非常に小さく、そして異常に強力な状態の信号が72秒間も続いたからです。このように狭い周波数帯域でありながら、これほど強力でエネルギーというのは、その信号が人工的なものであることを示唆しているのです。 そのためこの信号が宇宙人から送信されたという噂が広がったというわけです。AWOWプロジェクトの研究者たちは、同じような信号が存在するかどうかを調べるため、2017年から2020年までのアレシボ望遠鏡で収集されたデータを調査。その結果、Wow!シグナルの記録ほど強力ではないものの、水素線近くで類似した狭帯域の信号が発見されました。 Wow!信号の類似信号は、銀河内の冷たい水素(HI)の星間雲が原因であることが分かりましたが、Wow!信号よりも2桁も小さい明るさでした。メンデス氏チームは、Wow!シグナルがあれだけ明るかった理由として、マグネターのような一時的な放射線源による突発的な明るさの増加が原因かもしれないと考えているとのこと。マグネターは非常に強力な磁場を持つ中性子星の一種で、水素雲の原子を刺激して突発的な明るさを生じさせることができます。
偶然が重なり合った産物なのか?
メンデス氏はこう述べています。 非常に稀な現象です。 その雲の背後にマグネターが存在し、その雲を刺激するのに十分強い放射線があり、そしてその方向を見ている人がいたという3つが同時に起こるのはどれくらいの確率でしょうか? メンデス氏チームは、アーカイブデータで見つかった信号の背後にある雲を特定するため、チリの超大型望遠鏡を使用して追加観測を行なう予定だそうです。偶然出会ったWow!シグナルに今は夢中で、その謎を解き明かしたいと決意しているそう。「この数カ月で、これまでの人生で学んだこと以上に『Wow!信号』について学んでいると思います」とメンデス氏は語っています。
岩田リョウコ