「一度冷やしたご飯」のほうが腸にいい?注目される「レジスタントスターチ」について管理栄養士が解説します!
「ご飯は一度冷めた物の方が太りにくい」という説を耳にしたことはありませんか? 「温度でカロリーが変わるわけじゃないし……」と思うかもしれませんが、一度冷えたご飯の中のでんぷんに含まれる「発酵性食物繊維」が、腸内環境の改善に役立つと注目されています。 【画像4枚】腸活で注目の「レジスタントスターチ」(難消化性でんぷん)が含まれる食品などをチェック! 特別なものを用意しなくても一度冷やすという手間を挟むだけでOKなのもうれしい点。「発酵性食物繊維=レジスタントスターチ」を味方に付けると良いことがたくさんありそうです!
レジスタントスターチ=難消化性でんぷん
レジスタントスターチとは、「難消化性でんぷん」のこと。小腸では消化・吸収されずに、大腸まで届く性質を持っています。もともと、食事で摂取したでんぷんは、小腸で完全に消化・吸収され、体のエネルギー源になると考えられてきました。しかし、近年の研究ではこのような難消化性のでんぷんがあることがわかってきており、注目されています。 ♦︎4つの種類と代表的な食材 レジスタントスターチには性質の違いから、それぞれ「RS1」「RS2」「RS3」「RS4」の4つに分類されます。 RS1:物理的に消化酵素が働きにくいもの。全粒粉や精製度の低い穀類が該当する。 RS2:生のでんぷんやアミロースを多く含むでんぷん。生のじゃがいもや成熟していないグリーンバナナなどが該当する。 RS3:糊化したでんぷんを冷却したり放置した時に作られるでんぷん。冷やご飯などが該当する。 RS4:加工でんぷんのこと。主に加工食品に使用されている。 ♦︎レジスタントスターチの働き 「レジスタントスターチ」は、発酵性食物繊維の一つです。発酵性食物繊維は、善玉菌のエサとなったり、腸内の悪玉菌が増えにくい環境を作る働きがあります。腸内環境の改善にはとても強い味方に! レジスタントスターチは腸の奥まで届くので、そこに住んでいるビフィズス菌や酪酸菌などの善玉菌のエサになります。レジスタントスターチの種類によっても機能もさまざまですが、血糖値の上昇をゆるやかにする可能性があるという報告や、脂質の代謝改善などの報告もされています。今後、腸活や健康面から注目したい成分の一つといえそうですね。