「一度冷やしたご飯」のほうが腸にいい?注目される「レジスタントスターチ」について管理栄養士が解説します!
食生活へはどう取り入れる?
「ハイレジ食品」とは、レジスタントスターチを多く含む食品のこと。ここ数年で注目度が高まっている食のトレンドの一つです。該当する食べ物としては、冷やご飯や豆類、芋類などです。 市販品でも、健康食品として、大麦を使ったものやレジスタントスターチを含んだ加工食品などが増えてきています。 ♦︎炊き立てご飯よりも冷やご飯を! レジスタントスターチをより多く摂取したい場合は、炊きたてよりも冷やしたご飯の方が良いでしょう。 米や芋類に含まれるレジスタントスターチの一部は冷やすことで増える性質があります。冷たいご飯を食べるのはおいしくないからどうしたら……と心配になりますが、実は、冷やしたものを再加熱しても、レジスタントスターチは大きく減らないと考えられています。 米ならまとめて炊いておいて、冷蔵保存したものをその都度再加熱して食べればOK。ランチタイムなら、冷めたままでもおいしく食べられるお弁当やおにぎりなどはレジスタントスターチを自然に摂ることができるんです。 ♦︎過度な糖質制限はダメ! 糖質が多いからといって穀類や芋類を食べるのを控える人が多いですが、これらの食品を減らすと、エネルギー源や食物繊維が不足する原因の一つになります。また、過度な糖質制限は健康を損なうことにも繋がりかねません。 特に日本人の主食でもある「米」は、糖質だけではなく、食物繊維やたんぱく質などの栄養素も含んでいます。レジスタントスターチを意識しながら、食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。 今回は、レジスタントスターチの働きや、含まれる食材をご紹介しました。腸内環境を改善させるには特定の食品だけでは難しく、食事のバランスや生活習慣も大きく関わっています。「腸活」が気になる方は、本コラムだけではなく、シリーズでぜひ読んでいただけたら嬉しいです。 【参考文献】 ・飯田薫子、寺本あい「一生役立つ きちんとわかる栄養学」西東社(2019) ・農林水産省「お米と健康・食生活」(閲覧日:11月20日) ・海老原清(2014)「レジスタントスターチの栄養・生理機能」日本調理科学会誌,Vol.47,No.1,p49~52 ・亀井文、高橋遥(2019)「さつまいもの加熱調理直後、冷蔵保存および再加熱によるレジスタントスターチ量の変化」宮城教育大学紀要,53,p211~216
宮崎 奈津季