マジック点灯の巨人との差は1.5…猛追する阪神の“肝”は驚異の繋がりを生む「7番」と「8番」にあり!?
大混戦模様のセ・リーグの覇権争いは、いよいよ2球団に絞られた感がある。“永遠のライバル”である巨人と阪神だ。 【動画】怒涛の5連勝! 首位浮上に虎視眈々の阪神の中日戦をチェック 9月18日には、首位に立つ巨人が4年ぶりの優勝へマジック「9」を点灯。一方で、連覇を狙う2位の阪神も1.5ゲーム差に急接近。白熱の優勝争いは、大詰めを迎えた中で、痺れる展開となっている。 興味深いのは、阪神の猛追だ。今シーズンに球団史上初となる「アレンパ」を狙ったチームだったが、春先は苦心。岡田彰布監督も頭を悩ませた投打の歯車が嚙み合わない時期が続いた。 とりわけ打線は火力不足が否めず、4月(.234)、5月(.213)、6月(.214)と打率も低迷。夏場には不動の4番だった大山悠輔をはじめ、佐藤輝明や森下翔太らクリーンナップを2軍で再調整させる事態にも至った。 そうしたなかで、リーグ1位の防御率を誇る投手陣を軸にし、Aクラス圏内で虎視眈々と首位の座を狙い続けた。そして、ここにきて懸念材料だった打線が復調傾向にあり、巨人追撃の体制は万端だと言っていい。 無論、得点圏打率でリーグ5傑に4人(大山、佐藤、森下、近本光司)が入る上位打線の頼もしい活躍は大きい。だが、下位打線の好調さも忘れてならない。とくに昨シーズンも異彩を放った梅野隆太郎、坂本誠志郎の両捕手と、木浪聖也の存在は“打線”のカギともなっている。 打線の7番と8番に入るケースが多い3人だが、ともに9月に入って打撃好調だ。梅野が打率.333、OPS.804、坂本が打率.409、OPS.889といずれもハイアベレージを記録。木浪は打率こそ.250だが、出塁率は.353と繋ぎの役割をこなしている。 思えば、昨シーズンも“肝”となったのは下位打線だった。彼らがリーグ屈指の実力者が揃う上位に繋ぐ役目を全うしたこと、18年ぶりのセ界制覇は可能となった。であるならば、正念場を迎えている今の阪神にとって、梅野、坂本、木浪の好調さは重要なポイントになり得る。 無論、依然として巨人が先を行くのは変わりない。ただ、18日の中日戦後のヒーローインタビューで「優勝するんで……。みんな、ついてきてください!」と言い放った坂本に象徴されるように、首位に肉薄する王者・阪神の機運も高まっていると言えよう。 大混戦が続いてきたセ・リーグの優勝争いに楽しみは尽きない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]