【50歳からの断捨離®道 】50代、モノを手放せば、負の感情も手放せる!不安、イライラ、嫉妬にさようならしませんか
「でもいざ子育てが終わり、断捨離に取り組み、夫婦ふたりきりの生活となってみると…もっと身軽に生きてみたいと自分が望んでいることに気づいたのです。そして『終の棲家』という言葉に自分は縛られていた、ということにも。 終の棲家。家を建てた当時はそう思っていても、実際年齢を重ねていけば自分の体(体力)や気持ち(気力)、好みも変わることがあり、それは自然のなりゆきです」
ふたりの娘が成長したときに「取り合いにならないように」と、洗面所は一階だけではなく2階にもつくった。「ほかにも娘たちが大きくなったら並んで一緒にお料理できる広さのキッチンがいいな、とか子どもの成長をイメージして設計してもらった家でした。私の子育てへの思いがいっぱいつまっている家です」
「 断捨離を通して知ったことはいろいろありますが、そのひとつが ・人の気持ちは変わるもの ・そして時間の経過とともに、モノとの関係性も変わっていく です。 つまり家に関していえば、一軒家を建てた当時とは私たち夫婦が変わり、それにともないモノ(家)との関係性も変わったのです。そしてもうひとつが ・自分がどうしたいのか、どうありたいのか自分の視点で考えること(自分軸で考える、といいます)。 断捨離を知るまでの私は『自分がどうしたいのか』という自分軸でものを考えることをしていませんでした。25歳で結婚してからは家事や子育て、夫の転勤による度々の引越し(長女は幼稚園生のときだけでも4回転園しています)、子育てが一段落したら再就職と、20代~40代はめまぐるしく過ぎました。 いつも自分より家族が優先。自分軸なんて発想もありませんでしたし、かといってそういう生活に不満を感じていたわけではなく幸せでした。でも今振り返るとあのとき自分の心に向き合い、『自分は本当はどうしたいのか』という自分軸をもっていたら、別の方法もあったのではと思う場面があります。とくに子どもが思春期になってからの子育てに関しては。 たとえば我が家は、長女がクラシックバレエを本格的に習っていたのですが、娘が小学校の高学年から中学生のときにかけて、食べる物からバレエに対する向き合い方、生活習慣などにまでうるさく口を出してしまったことがあります。それは娘の才能を見込んで『プロのダンサーを目指しませんか』と言ってくださった先生に対する感謝、そして「その期待に私たち親子は応えないといけない」という私の思いがあったからでした。 でも断捨離を学んでみて、あとからわかったこと。それは当時の私が絶えず気にしていたのは『プロのバレエダンサーを目指す子の母親として、娘の指導をしてくださっている先生に自分はどう思われているのだろう? ちゃんとした熱心な母親だと思ってもらえているだろうか?』という〝他人からの評価〟でした。 だからといって子育てについて、今、後悔しているわけではありません。あのときわが子の可能性を信じ、心から応援していたのは事実ですから。 逆に断捨離を学ぶまでは過去を振り返っては後悔していたほかのことも『あのとき、それを選んだのはほかならぬ私自身なのだ』と俯瞰して見ることができたり、『あのころの私は全力を尽くして家族をサポ-トしていた』と当時の自分を肯定できるようになりました。 ただ『違う方法もあっただろう』『他の考え方もできただろうな』と当時は気づかなかった可能性が、断捨離を学んだ今ならわかるのです。 ですので、OurAgeの読者さんで子育て中という方がいらしたら、ぜひ断捨離を知ってほしいと思います」