自滅ではなく虎の策略だった?!…なぜ阪神は広島の九里から4本の適時打と6四球を奪い20勝一番乗りに成功したのか?
高代氏も「九里と秋山は対照的だった」と評価した。 「一方の秋山は7回までに8個がゴロアウト。丁寧に低めに変化球を集めた結果だが九里との違いはストレートを効果的に使ったところ」 高代氏が象徴的なシーンとしてフォーカスしたのは、6回に自らの打球処理ミスもあって作ってしまった一死一、三塁のピンチで鈴木誠也をショートゴロ併殺打に打ち取ったシーンだ。 「初球にフォークを使って空振りを奪うと次のストレートを外角に投じた。これを鈴木が引っ張ってショートゴロのダブルプレーに倒れたが、変化球が頭にあったのでタイミングがずれていた」 秋山は4月22日の巨人との首位攻防戦で3回6失点と炎上した。 試合後、ヒーローインタビューに指名された秋山は、「フォークを前回、見られる傾向があったので、他の球を有効に使いながら進めることができた」と、配球に工夫していたことを明かした。 「絶対的な球がないので、持ち球全てをうまく使うのが自分のスタイル。きょうはそれができてよかった」 チーム全体で戦略を練り、選手が個々で考えて野球をするーー。阪神が首位をキープできているのも納得である。 連勝でセ、パを通じて20勝に一番乗り。2位の巨人には2.5差をつけた。 「1番を目指してやっているし、なんでも1番というのはうれしい。これからもそこを目指してやっていく。タイガースの野球というのはこういうつなぐ野球とか、挑戦する野球とか、走り切る野球とか、そういうのを選手自身が理解して、そこに全力で取り組んでくれている結果」 矢野監督のコメントも自信に満ち溢れている。阪神の強さが勢いだけではなく根拠のあるものに変わってきた。