ブライトン三笘薫27歳、3ゴール目のウラ側「非常に嫌なサッカーをしてくる」菅原由勢24歳から笑顔が消え…“三笘vs菅原”、現地記者が聞いた「ミトマの怖さ」
「逆に余裕がありすぎて…」
2人のマッチアップは、得点場面だけではなかった。前半7分にはブライトンがカウンター攻撃を仕掛け、縦パスのカバーに入った菅原がトラップでいったん止めた。だが、背後から忍び寄った三笘がボールを奪い、そのままシュート──。決定的なチャンスだったが、シュートはゴール右にそれた。三笘としては決定機を逃すことになったが、菅原にとってはまさに命拾いとなった。 三笘は「ああいう形でボールを奪うのは得意ですが、逆にちょっと余裕がありすぎて、シュートが引っかかってしまった。しっかり決めないといけない」と反省の言葉を述べた。 一方の菅原は、試合全体を通して、詰めの甘さが出てしまったと分析する。前半44分に質の高いクロスから決定機を呼び込む場面もあったが、「まだまだ隙のある部分が僕にはある。もっともっと突き詰めていかないといけない」と守備の課題を語り、さらなる成長を誓った。
険しい表情で「非常に嫌なサッカーをしてくる」
今回の取材で最も印象に残ったのは、菅原から見た「三笘の怖さ」についてだった。 菅原とのマッチアップについて問われた三笘は、「楽しかったです。彼も相当タイトに来ていたので、なかなか1対1で仕掛けるシーンがなかったですけど、もっと行ってもよかった」とコメント。そこで筆者はこう尋ねてみた。「菅原選手とは日本代表の練習でも対峙している。よく知っているからこそ難しいのか、それともやりやすいのか」と。三笘はこう答えた。 「由勢は1対1が強い。しっかりと組んだ時は素晴らしい守備を持ってますが、 それでもオフザボールのところが苦手かなと思ってたので、そこで勝負しようと思ってました」 まったく同じ質問を、今度は菅原にぶつけてみた。相手をよく知っているからこそ難しいのか、それともやりやすいのか。菅原は、「いや」と前置きしてから、質問に対して少し角度を変えて答えた。 「皆さん薫君に注目されがちですけど、薫君がいるからこそ成り立つ戦術がブライトンにはあって。薫君がボールを持った時だけではなく、他の選手の関わり方や、薫君へのボールの入れ方など、全てが組織化されている。周りが連動し、ボールを流動的に運んでくる。薫君だけでなく、他の選手の関わり方が素晴らしいです。僕達は、そこに手を焼いたところもあります」 菅原が陣取ったのは、5バックシステムの右サイド。基本的には三笘をマークすることになるが、三笘が中央にポジションをスライドすることも多い。そうすると、空いたタッチライン際の位置に、左SBのペルビス・エストゥピニャンが駆け上がってくる。結果として菅原は、三笘とエストゥピニャンの2人をマークしなければいけないシーンがあった。 複雑な動きをするブライトンと三笘について、菅原は言葉を続ける。 「左SBの選手が良いタイミングで入ってきたり、トップ下のペドロも関わってくる。その一方で、失点場面のようにシンプルにクロスボールを入れてくる。非常に嫌なサッカーをしてくる。たくさんオプションがあるチームで、僕達としてはそこをしっかり守る必要があった。彼らは本当に素晴らしいチーム。薫君がその中心にいるというのは、日本にとっても大事なことだなと、今日改めて感じました」 ◆◆◆ 試合は1-1の引き分けに終わった。 質疑応答を通して菅原は険しい表情を貫き、「あの失点がなければ勝っていた」と唇を噛んだ。対する三笘は、菅原とのマッチアップを「楽しかった」と振り返りながらも、同点に追いつかれた後半について「厳しい内容だった。ホームなのでもっと行ってもよかった」と指摘。最下位のサウサンプトンにホームで白星を奪えなかったことを嘆いた。 悔しさの理由こそ違うが、厳しい表情を浮かべた2人の姿は、世界最高峰プレミアでもっともっと上へと、もがき続ける挑戦者のそれであった。両者の再戦は、来年の2月22日。3カ月後、果たして2人はどんなバトルを見せてくれるか。
(「欧州サッカーPRESS」田嶋コウスケ = 文)
【関連記事】
- 【現地写真】「と、飛んでる…」美しすぎるダイビングヘッド…三笘薫3ゴール目の決定的瞬間&クリア夫人との2ショットもすべて見る
- 【あわせて読みたい】「見てる人はもどかしいかもですが…」3カ月ぶり2ゴール目、ブライトン三笘薫27歳が現地記者に明かした本音…新監督「ミトマをゴールで評価してない」の意味
- 【やんちゃな新監督】審判に文句「3年間でイエロー45枚、レッド6枚」31歳ブライトン新監督“やんちゃな選手時代”も…三笘薫27歳が証言する素顔
- 【筋トレ】美しい腹筋が話題に…三笘薫25歳が明かす“筋トレの中身”「週2回ジムで、スクワットは100kg超を5回…大谷翔平さんレベルではないですよ」
- 【名作】「記事に出されそう…」シャイな三笘薫26歳が“初めて”クリア夫人について語った日…約8分間のインタビューで三笘は4回も現地記者を笑わせた