英国メディアは錦織の逆転負けを「ジョコ戦のウォーミングアップ」と報道
男子テニスの今季最終戦ATPツアーファイナル(ロンドン)の1次リーグA組の第3戦(日本時間19日)で世界ランキング5位の錦織圭(26、日清食品)は、同7位のマリン・チリッチ(28、クロアチア)から第1セットを6-3で取ったが、第2、第3セットを2-6、3-6で落として逆転負けを喫した。だが、前の試合で、アンディ・マリー(29、英国)がスタン・ワウリンカ(31、スイス)を2-0で破っていたことで、錦織の準決勝進出が決まっていた。錦織は、19日の準決勝でB組1位の世界2位、ノバク・ジョコビッチ(29、セルビア)と対戦するが、英国の地元メディアは、錦織対チリッチ戦の模様を次々と報じた。 英国インターナショナルビジネスタイムズ紙は「チリッチがジョコビッチ戦を控えた錦織を破った。日本のナンバーワンは、この負けによって準決勝のウォームアップをしたようだ」とタイトルをつけた。 同紙は「錦織は、24時間後のジョコビッチ戦を控えてエネルギーを温存できる状況ではあったが、最初はそういったサインを見せなかった。200ポイントを加算すれば、世界ランキング3位に上がるチャンスがあった」と、第1セットの様子を報じた。 そして、ミスが目立った第2セットを「しかし、第2セットで世界ランキング5位でもいいという気持ちがよぎったのかもしれない。それをチリッチが見逃さなかった」と分析した。米国のテニス・チャンネルも、試合後に「錦織は第2セットからリターンのスピードが落ちていた」と解説していた。 また英国のスカイ・スポーツの電子版は「マリン・チリッチが錦織圭を破った」というシンプルなタイトルで、この試合を報じた。ジョン・マッケローと組んだダブルスで全英、全米の優勝を飾ったことで有名な解説のピーター・フレミングの解説コメントも掲載。「今夜の錦織は少し疲れているようだった。明日の夜はジョコビッチとの対戦で、彼はまた走らなければならない。しかしそのときになれば、またアドレナリンが出てくるだろう。明日はまた何が起こるかは分からない」と、錦織に好意的に、この敗戦が明日のジョコビッチ戦にそれほど大きな悪影響を与えない意見を伝えた。 それでも、第2セット以降の錦織については、「錦織が、翌日の試合に備えてエネルギーを抑えて試合をしていたかもしれないが、出だしはとてもよかったのに、第3セットはダメだった。チリッチが彼のレンジをうまく見つけている一方で、錦織は調子を落とし、クロアチアのチリッチが最後は舗装した道を歩くように勝利した。錦織は第3セットで反撃しなければいけなかったが、第5ゲームでチリッチにブレークされ、そのまま立ち直ることができなかった」と、厳しい目で伝えた。