更年期のホットフラッシュを鎮める「セロリとイカのマリネ」【身近な食材だけの簡単「薬膳」で不調を改善!⑤】
いきなりカーッと顔や体が熱くなる、汗が吹き出る、イライラするといった不調は、更年期によく現れる。薬膳では更年期のことをどのようにとらえるのか? そして、そんなときに食べるといい食材を使ったおすすめのメニューを、薬膳料理研究家の谷口ももよさんに提案してもらった。
セロリは体にこもった熱を取り、気持ちを落ち着かせる
閉経を挟む前後の5年、合計約10年間を更年期という。この時期は、卵巣機能が低下してホルモンバランスがくずれることで、さまざまな不調が現れる。 「東洋医学ではこの更年期を、体のエネルギーを司っている『腎』の機能が低下して、『気(き)・血(けつ)・水(すい)』の代謝やバランスが悪くなっているととらえます。 なかでも、気温や室温に関係なく、カーッと顔や体が熱くなり、汗が吹き出るようなホットフラッシュの症状は、『血』が不足して、血を動かす『気』が十分に働かないことで、余分な熱がたまっている状態です。イライラするといった症状も同じです。 こんなときは体内の余分な熱を取り除く食材をとるように心がけるといいでしょう。特に、熱を取る効果に加えて、独特な香りで『気』の巡りをよくするセロリがおすすめ。これにイカを合わせ、酢を加えてマリネにします。 イカは『血』を補い、『腎』を整えるので、更年期症状や月経不順などの女性特有のトラブル、疲労回復、老化予防に有効。マリネに使う酢と添えたレモンは、そのすっきり爽やかな香りで、『気』の巡りをよくします」(谷口さん) ※薬膳の基本の考え方は第1回<疲れたときのとっておき「超簡単 参鶏湯(サムゲタン)」>参照。
【薬膳ポイント】 ●セロリ 穏やかに体を冷やす「涼性」に当たる食材で、水分代謝をアップすることで、体内にたまった余分な水分や熱を取り除く。特に頭部の熱を取るので、のぼせをはじめ、目の充血、めまい、頭痛を鎮める。また、その独特な香りで「気」の流れを整えて、精神を落ち着かせる効果もある。 ◆セロリとイカのマリネ(材料2人分) イカ1杯はワタをとり、輪切りにして、さっと湯通しする。セロリ1本は食べやすい大きさに切る。 鍋に酢大さじ5、水大さじ2、オリーブオイル大さじ1、塩小さじ1、砂糖小さじ2とつぶしたにんにく1/2片を入れて火にかけ、沸騰したらすぐに火を消し、マリネ液を作る。 イカ、セロリとマリネ液を混ぜ合わせ、少し時間をおいて味をなじませる。皿に盛り、レモンスライス(1枚/1人分)を飾る。 「セロリとイカをマリネ液と合わせたら、冷めるまで味をなじませるのがポイントです。ひと晩冷蔵庫に入れて冷やして食べてもおいしいです。食べる前に添えたレモンを搾ると、さらに爽やかさが増し、頭部にたまった熱のクールダウン効果が高まります」