篠崎・進士法律事務所・進士肇弁護士 独占インタビュー ~ 会社と株主の架け橋となる株主総会検査役とは ~
―弁護士業務への影響は
裁判手続のIT化は、我々弁護士の仕事の仕方に驚くべき革新をもたらした。以前は、5分で終わる口頭弁論期日や、30分程度で終わる弁論準備手続・和解期日のために、一日がかりで地方の裁判所に出廷することもあったが、こういうことはほとんどなくなり、移動時間の無駄が劇的に削られた。節約できた貴重な時間を、我々は本来の仕事に振り向けることができる。 加えて、コロナ3年間で図らずも得た「正の遺産」も大きい。リモートワークは常態となり、電話・メール・zoomなどの併用により時間と距離がぐっと縮まって、いつでもどこでも対面アクセスが可能になった。法律関連情報の取得はますます容易になり、生成AIは業務の革命を起こすだろう。 企業経営者の立場から見れば、我々弁護士が、「いつでもどこでも、時を置かずに容易に対面アクセスできる」専門家になったことは重要だと思う。弁護士の仕事はリーガルアドバイスだけではない。経験値の高い弁護士は、経験と知恵と人的ネットワークを駆使して、相談者のニーズに応じて、自身の知恵のみならず他の専門家を呼び込んで、事案に即してコーディネートする力を有する。こうした「コーディネーター」として弁護士を役立ててもらいたいし、我々も期待に応えられるよう更なる努力を続けたい。 (東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2024年8月29日号掲載「WeeklyTopics」を再編集)