MONOEYESが語るバンドのあり方、非永続性を受け入れた先に描く希望
どんな形でもいいから希望がないと人間は生きていけない
一変な質問ですけど、細美さんのそういう考え方って、終わりを見ているから、とも言えるんでしょうか? 細美:終わりっていうのは人生の終わり? 一はい。今回の「The Unforgettables」と「Ladybird」の歌詞、人生の最期を見据えた言葉が多いなと思って。 細美:俺、そういうこと、たぶん10代から考えてますね。エルレの最初の頃から歌詞にはそんなのがいっぱいあると思う。ただ、命は有限だってことはわかって生きてるつもりだけど、50を過ぎてあとどのくらいだっていうのが、体感で理解できるようになってきたのはあるかもしれないね。どう生きたって、東日本の震災から今までのあと2回分くらいか、みたいな。 一10代からそういうことを考えて歌にしてきた。それが悲観的な歌に聴こえないのは不思議でもあります。 細美:そうなのかな? 全員に当たり前にやってくることなんだから、有限だって事実自体にはいちいち悲観してても意味ないでしょ。その訪れ方に悲しいものが多いのは理解してるけど。 一歌詞を書くときまず何を考えます? 細美:俺は歌詞って大体あとから書くんだけど、メロディが生まれてきた時に、わりと子音と母音の方向性ってあらかじめ決まってて、ある程度文章になってたりもするんだよね。その、残りのちゃんと単語になってない部分を探し当てるみたいな感じで作詞してます。で、その時に意識してることが一個あるとすれば、何らかの希望は必ず入れておきたい、ってことかなあ。それがないと歌ってて楽しくないので。どんな形でもいいから希望がないと人間は生きていけない。あとは非永続性、この宇宙を支配してるルールだよね。それは俺のどんな歌詞の中にも通底してあるものだと思うけど。いつかこれは必ず終わる、でもそれが救いになる場面もたくさんある。だからただ終わりを嘆くんじゃなくて、非永続性を飲み込んだうえで、何らかの希望を描きたいと思ってる。 一すごく腑に落ちる話です。今回録音したのはこの4曲だけなんですよね。実はもうアルバムも録ってあるとか、そういうことはなく。 細美:……それだったらもう最高だけど(笑)。 戸高:そうであってほしい(笑)。 細美:そんな世界があるなら今すぐワープしたい。 一アルバムの前にまずは9月後半から久々のツアーがあります。 細美:久々ですねー。特に関西圏でライブやれてないからね。全国回れて嬉しいです。 一このツアーに期待していること、それぞれお願いします。 戸高:まぁ、さっきから細美さんが話してた、バンドの底力じゃないけど、レベル。そこをもっと上げていきたい、アップデートしていきたいって気持ちですね。自分を磨きつつ、バンドもよりソリッドにしていきたいなって。 スコット:うん。あとは、楽しみたい。 一瀬:今までのMONOEYESって、普段は超ふざけてるけど、曲始まった途端いきなりカッコイイ、みたいなところに理想があって。今もそうだし、そこは前回のライブよりも次のライブで毎日毎日更新したいと思ってる。それを積み重ねながら、「あぁ、楽しかったな!」って思えるツアーにしたいですね。 細美:MONOEYESを結成した頃はELLEGARDENはまだ活動休止中だったけど、今ではエルレも復活して同時に動いてる。そうなると、MONOEYESでしか届かない心の領域みたいなものを、俺はちゃんと探し出したいです。少なくともこのツアーが終わる頃には、はっきりと「このバンドはこれをやるべき」「このバンドでしかできなのはこれだ」って思えるものを手に入れたい。それが手に入れば、次のアルバムは素晴らしいものになるんだろうと思いますね。最高の十年目を来年迎えて、やってきて良かったなって思える一年になるだろうって、そこをゴールに今俺たちは走り始めたところです。 <リリース情報> MONOEYES 『The Unforgettables E.P.』 発売中 =収録曲= 1. The Unforgettables 2. Ladybird 3. Adrenaline 4. Atmosphere <ライブ情報> MONOEYES “The Unforgettables Tour 2024” 9月24日(火)金沢EIGHT HAL 9月26日(木)新潟LOTS 10月1日(火)KLUB COUNTER ACTION MIYAKO 10月2日(水)大船渡KESEN ROCK FREAKS 10月4日(金)石巻BLUE RESISTANCE 10月8日(火)Zepp DiverCity(TOKYO) 10月9日(水)Zepp DiverCity(TOKYO) 10月12日(土)仙台PIT 10月15日(火)Zepp Osaka Bayside 10月16日(水)Zepp Osaka Bayside 10月23日(水)Zepp Sapporo 10月31日(木)松山WstudioRED 11月5日(火)Zepp Fukuoka 11月7日(木)BLUE LIVE HIROSHIMA 11月11日(月)Zepp Nagoya 11月12日(火)Zepp Nagoya チケット代 ¥2600(税込)入場時ドリンク代別途必要
Eriko Ishii