日ハム時代の"師弟"大谷翔平&近藤健介が同時達成!? 日米「三冠王」への道
日本ハム時代からの盟友であり、"師弟"のような関係性の近藤と大谷。シーズンは残り3分の1となり、いよいよ佳境に入りつつあるが、共に「三冠王」を狙える位置につけるふたりの強打者。果たして、日米同時達成なるか!? 【写真】日本ハム時代の先輩・後輩である近藤と大谷ほか ※成績は日本時間7月30日時点です。 * * * ■進化を重ねて似たスタイルに 勝負の8月。日本のプロ野球もアメリカのMLBも、優勝争いとともに個人タイトル争いが気になる季節だ。特に今季は、打者の偉業である「三冠王」が日米で生まれそうな気配を漂わせている。 MLBではドジャースの大谷翔平がリーグ1位の32本塁打をマーク。昨季、アジア人初の本塁打王に輝いたパワーはリーグが変わっても健在だが、今季は打率も1位の.314、打点も2位の76を記録しており、今世紀になって2012年のミゲル・カブレラ(元タイガースほか)しか達成できていない三冠王が視野に入ってきた。 一方、日本で過去8人しかいない三冠王の偉業に挑むのはソフトバンクの近藤健介だ。打率.323は安定のリーグ1位、13本塁打は1位と5本差の2位タイ、49打点は1位に15差と少し離されているが、それでもリーグ4位。昨季、本塁打と打点の二冠に輝いた実績があるだけに、ここから巻き返す可能性は十分ある。 くしくもこのふたりは日本ハム時代のチームメイト。それどころか、大谷は1学年上の近藤の存在を〝師匠〟と語ったことがある。日本ハム時代の〝師弟〟が後半戦突入のタイミングで三冠王を狙う展開について、「素直に面白い。野球ファンにとってたまりません」と語るのは本誌おなじみの野球評論家、お股ニキ氏だ。 「身長やパワーなどは対極ながら、日本ハム時代の大谷は近藤の打ち方に似ていましたし、影響を強く受けていたはず。WBCでは2番・近藤、3番・大谷の打順で世界一を達成。舞台は違えども、共に破格の超大型契約をした新チームで活躍し、打者として全盛期を迎えています」 今季のプロ野球は〝超投高打低〟で注目を集めているが、MLBも同様に投高打低だと語るお股ニキ氏。打者受難の時代に彼らはなぜ平然と活躍できるのか? 「ふたりとも打ち方や技術、野球脳がもともと優れている上に、アメリカの最先端トレーニング施設であるドライブラインも活用して、的確な進化、成長を遂げています。 近藤は2022年オフのソフトバンク移籍時、『7年推定50億円の契約はさすがにやりすぎでは?』という批判もされましたが、結果的に適正価格だったことを自ら証明してみせました」 共に進化を果たして現在の地位を築いたわけだが、その過程をひもとくと、不思議な類似点が見えてくる。 「大谷はプロ入り当初から規格外のパワーを持っていた。MLBで本塁打王に輝く実績に加え、近年は確実性が増してきました。 一方の近藤はもともとバットに当てる技術、選球眼に優れた選手でしたが、2021年の東京五輪の頃から、体をコンパクトに回転させて打球を飛ばすバッティングにモデルチェンジ。三振はやや増えましたが、飛距離が伸び、昨季は本塁打と打点の二冠に輝きました。 進化の過程は真逆ですが、最近は同じようなスタイルになってきており、残す成績も近づいてきました」