日ハム時代の"師弟"大谷翔平&近藤健介が同時達成!? 日米「三冠王」への道
さらに、「近藤はセンターから左中間方向へも長打が増えている」と語るお股ニキ氏。この点も、左中間方向への本塁打が多い大谷と重なり合う。 「近藤は打ち方がいいんです。コースによってバットの軌道を変えることができ、センター方向に向かってバットを放り投げるようなイメージです」 その姿からは、往年の三冠王打者を思い起こすという。 「今の近藤のような打ち方をすると、引っ張った打球はスライスし、流した打球はスライスせずにフックする。落合博満さん(元ロッテほか)や松中信彦さん(元ソフトバンク)の全盛期を彷彿とさせる、究極の打撃技術です。 打球が飛びにくいとされる今季のボールでなければ、いったいどれほどの数字を残していたのか......と思わずにはいられません」 ■大谷はまだ絶好調ではない 三冠王を目指す上で、大谷と近藤の現状も改めて確認しておこう。 過去に2度も月間MVPに輝いた〝得意の6月〟に今年も爆発なるかと注目を集めた大谷。確かに6月は月間12本塁打と気を吐いたが、お股ニキ氏は「あれは爆発ではなく、まだ本当の絶好調ではない」と分析する。 「高めのボールを克服しようとしすぎて、バットを構える位置がやや高すぎます。ベストはちょうど1年くらい前の打撃フォーム。もう少しグリップ位置を低く寝かせて構えていました。それ以前、特にWBCの頃やシーズン序盤もグリップ位置が高すぎて、スムーズにバットが出にくい状況でした」 確かに、お股ニキ氏は昨年5月下旬に「グリップ位置が高すぎる」と指摘。その言葉が届いたかのように、5月末にグリップ位置を下げた結果、6月と7月に2ヵ月連続で月間MVPを受賞する活躍を見せた。 逆に言えば、ベストの状態でなくとも、打率と本塁打でリーグ1位の位置にいられるのが今季の大谷のすごさでもある。 「これまでのシーズンは二刀流の影響もあり、夏場になると少し息切れしてしまって、打者としての好調の波も途切れていました。その点、打者専念の今季はここから本当の無双モードに入って数字を一気に伸ばす可能性も十分にあります」 日本時間7月28日に放った今季32号について、「打った感覚は今までの中でもトップじゃないかなというぐらい、飛距離というか打感もそうですし、角度も、全部が良かったんじゃないかなと思います」と珍しく自画自賛した大谷。この感覚が維持できれば、三冠王達成もぐっと現実味を帯びてきそうだ。 そんな大谷のライバルは誰になるのか? 首位打者争いで最大のライバルと目されていたのはクリスチャン・イエリチ(ブルワーズ)だったが、日本時間7月25日に腰の炎症で故障者リスト入り。手術を選択すれば今季絶望、と現地では報道されている。 「報道どおりであれば、大谷が首位打者獲得を狙う上では追い風です。残るライバルは、大谷を5厘差で追うイチロータイプのルイス・アラエス(パドレス)、そしてマルセル・オズナ(ブレーブス)に絞られます。さらに、骨折で離脱している同僚のムーキー・ベッツがいつ復帰するか次第でしょう」 中でも最大のライバルになりそうなのがオズナ。短縮シーズンの2020年に本塁打と打点の二冠に輝いた実績を持つ選手だ。 「オズナはマーリンズ時代、イチローとジャンカルロ・スタントン(現ヤンキース)と共に外野陣を構成していた好選手です。現在、打率は大谷と9厘差の3位、本塁打は大谷と1本差の2位、打点は大谷に8差をつけての1位。三冠王を狙う上での最大のライバルといえます」