「ショウヘイは簡潔な返答が多いからさ…」ドジャース番記者は大谷翔平をどう“攻略”した?「巨大な存在になったけど、普通の人間なんだ」
ロサンゼルス・ドジャースの一員として1年間を戦い終えた大谷翔平は、50-50達成、オールスター出場、初の世界一など多くを成し遂げた。この4年間で3度目のMVP受賞も濃厚で、最高のシーズンを過ごしたといっていいはずだ。プレーオフ中の左肩負傷まで含め、多くの注目ポイントがあった大谷の今季をロサンゼルスの現地記者たちはどう見たのか。本稿では、『Los Angeles Times』のジャック・ハリス記者、『The Athletic』のファビアン・アルダヤ記者の2人に意見を求めてみた。彼らはともにエンゼルス時代から大谷を取材した経験があり、その言葉には重みがある。 【変わりすぎ写真】「ガリガリだったエンゼルス時代」→「大谷のう、腕が…“まるでハルク”」&愛される大谷翔平「ドジャースベテラン勢がニコニコ」まですべて見る (注:取材は大谷の左肩手術が発表される前に実施した)
「文句のつけないようないシーズン」
――2024年の大谷を振り返って ジャック・ハリス(以下、JH) 期待通りの活躍だった。特に右肘のリハビリを続けながら、新しいルーティンを見つけ、しかもシーズン開始時にイッペイ(水原一平元通訳)のスキャンダルに見舞われながら、これほどのシーズンを過ごした。プレーオフでも生産的な時間を過ごした。これらはすべてドジャースが思い描いていたものであり、チームが世界一に辿り着いた主要因でもあった。 ファビアン・アルダヤ(以下、FA) ショウヘイを獲得すればビジネス面の付加価値がついてくるのは確かだとしても、結局のところ、ワールドシリーズを制することがやはり最終目標だった。それを1年目にして成し遂げたのだから、この契約が成功だったことは間違いない。50-50というこれまで誰も成し遂げたことがない記録まで達成したのだから、もう文句のつけようがない。 ――1年にわたって触れ合った「大谷翔平」という人間をどう感じたか JH 物静かで、自分の時間を大事にする男だ。フィールド上で感情を表に出し、エナジーを表現することもある。私たちのような記者の観点からいうと、それほど頻繁に交流できるわけではなく、囲み取材での返答も簡潔なものが多いから、どういう人間かを感じ取るのは容易ではない。メディアの一員としては、ショウヘイ自身が望んだ通り、表面だけしか見られなかったとも感じる。ただ、チームの関係者やチームメイトは、子供のような部分を持ったノーマルガイだというふうにショウヘイを形容するのをよく耳にする。ドジャースのクラブハウスにはよくフィットしていたように思える。 FA エンゼルス時代と比べ、より成熟したと思う。メジャー入りした際は23、24歳だったが、今では30歳。結婚し、相応の経験も積んだ。ドジャースとの契約という人生最大の選択を終え、これまでよりも自信、快適さを感じさせるようになった。新しい契約の形態をチームにとって有利なようにしたり、水原一平事件にも上手に対処したことなどからも成長は見てとれた。これまでも常にショウヘイからは“自身がどういう人間かをわかっている人間”という印象を受けてはいたので、彼のことを未成熟だと思っていたわけではない。ただ、今ではそれに加え、年齢を重ね、いくつかのことを達成したことからくる落ち着きを漂わせるようになった。
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