【65歳以上の4割弱が住民税非課税世帯】リタイア夫婦の貯蓄&家計収支《平均データを見る》年金分布も確認!
65歳以上の二人以上世帯の貯蓄額「無職世帯」に絞ると平均いくら?
今度は、65歳以上の二人以上世帯のうち、「無職世帯」に絞って貯蓄現在高の平均とその内訳をみてみましょう。 2023年の平均貯蓄額は2504万円。先述の65歳以上世帯全体よりもやや高め。その内訳は以下の通りです。 ・通貨性預貯金:754万円(30.1%) ・定期性預貯金:846万円(33.8%) ・有価証券:480万円(19.2%) ・生命保険など:413万円(16.5%) ・金融機関以外:11万円(0.4%)
65歳からの受給スタートが多い「厚生年金&国民年金」平均月額はいくら?
ここからは、厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、今の年金世代が受け取る老齢年金の平均や分布を見てみます。まずは国民年金から。 ●国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額一覧 〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 ●厚生年金の平均年金月額の平均受給額一覧 厚生年金についても確認しましょう。なお本記事で紹介する厚生年金保険(第1号)の年金額には国民年金(老齢基礎年金)の月額部分が含まれます。 〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 男女全体の平均年金月額は、国民年金のみを受け取る場合5万6316円、厚生年金(国民年金部分を含む)であれば14万3973円でした。 年金額は世帯単位で考える必要がありますね。現役世代のみなさんは、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」ご自身や家族の受給見込み額を確認してみましょう。 会社員として働いていたけれど、のちに働き方を変えたケースなどでは、思っていたよりも少ないと感じるかもしれません。iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やNISA、個人年金保険などで備えていくのも一案ですね。
65歳以上の無職夫婦世帯「ひと月の生活費&赤字」はいくら?
最後に、ひと月の生活費の内訳についても見てみましょう。貯蓄や年金額よりも、よりリアルな老後の生活がイメージ出るかもしれません。 総務省が公表する「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」から「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支を見ていきます。 ●65歳以上・夫婦のみの無職世帯の月の「生活費一覧」 ひと月の収入 収入:24万4580円(うち社会保障給付)21万8441円 ひと月の支出 ・消費支出:25万959円 ・うち食料:7万2930円 ・うち住居:1万6827円 ・うち光熱・水道:2万2422円 ・うち交通・通信:3万729円 ・うち保健医療:1万6879円 ・非消費支出:3万1538円 支出合計28万2497円 月の収支:▲3万7916円 65歳以上・夫婦のみの無職世帯のひと月の公的年金収入の平均は21万8441円。一方で、消費支出(いわゆる生活費)は合計は28万2497円。この世帯の場合、毎月3万7916円の赤字となっています。 この赤字を貯蓄でカバーする場合、単純計算すると1年の切り崩し額は約46万円。しかし、この家計収支の中には介護費用が含まれていない点や、持ち家世帯を前提として住居費が1万円台に設定されている点などの落とし穴があります。 年を重ねることで健康面での不安も増え、介護費用が突然必要となることもあります。また、自炊がおっくうになり食事の宅配を頼んだり、スーパーのお惣菜を購入する回数が増えたりする可能性も。 50歳代を過ぎたあたりから生活のダウンサイズを意識して、リタイヤ後に向けて暮らし周りを整えていけたら良いですね。